ヘルメットも不要 ノーマルで参加できるお手軽ラリー 英国で人気上昇中のアマチュア向けスポーツ【UK編集部コラム】
公開 : 2026.06.10 17:05
砂利などさまざまな路面を50km
こうした規制の緩やかさが、参戦費用に直接影響する。冒頭で触れたチブナーでは、ブロックタイヤやレーシングシート、ボンネットキャッチ、ロールケージを装備して見栄えを良くした車両も多かったが、本質的には完全に標準仕様だった。工場出荷時のままの姿を保っている車両も、ほぼ同数見られた。
すべての車両が対等な条件で競えるのは、平均許容速度がわずか時速30マイル(約48km/h)だからだ。

一見平凡な2002年式日産マイクラ1.4を駆って2位に入ったウィル・ジェフェリスさんは、「勝ち目がなさそうに見せるのが好きなんです。タルガでのドライビングはテクニックがすべてで、どれだけ速く走れるかではありません」と語っている。
とはいえ、ペースが緩むことは決してなかった。当日は10のテストが設けられ、総走行距離は約50kmに及んだ。その半分はターマックで、残りはターマックと芝生と砂利道が混在していた。
ごく普通のファミリーカーで参加
路面に関わらず、ドライバーたちは全力で走った。ショーン・メリフィールドさんと息子のコナーさんは、ダッシュボードにカーナビを雑にテープで貼り付け、後部座席には荷物が山積みになったままの2008年式ルノー・モデュス(写真)で会場に現れた。彼らはRSクラブマン・ライセンス保持者向けのクラブマンクラスで17位となった。他には、2003年式フォード・フュージョンで参戦したカップルもいた(こちらは最下位だった)。
ジョシュ・マーティンさんとコ・ドライバーのデイブ・モッターハムさんは、2000年式マツダMX-5(日本名:ロードスター)を駆っていた。モッターハムさんは、「タルガは1970年代のステージラリーに似ています。安価で参加しやすく、クルマのセッティングについて多くのことを学べます」と語った。彼らはインタークラブ・ライセンス保持者向けのインタークラブクラスで8位となった。

競技終了時点で、両クラスを通じた総合優勝は、2000年式フォード・プーマを駆るジェイミー・レイモンドさんとオリバー・ラクストンさんに決まった。ザック・リンハムさんとハリー・ブラックモアさんは、2003年式MG ZRでクラブマンクラスを制した。しかし、参加者全員の笑顔を見る限り、誰もが勝者だったと言える。
多種多様なラリーイベントを開催
タルガ・ラリーは、ジムカーナ、公道ラリー、耐久ラリーから発展したもので、過去10年間で他のモータースポーツが衰退する中、飛躍的に成長している。
その魅力は、参加費用が安く、ほとんど準備を必要とせずに日常の一般車両で参戦できる点にある。もっとも、走行条件が過酷なイベントであれば、タイヤ選びや車体下部の保護はしっかり行った方がよさそうだ。

一部のイベントでは2人の参加者が交代で運転できる点も、魅力の1つと言える。中には、本番のわずか1週間前にクルマを購入する参加者もいるほどだ。
路面は、レースサーキットの整備されたアスファルトから森林ステージまで多岐にわたる。英国タルガ・ラリーは60以上開催されており、その気があればBTRDAシルバー・スター選手権を通じてステップアップすることができる。
こうした草の根のモータースポーツが、クルマの文化を育んでいくのだろう。





















