新型『日産キックス』で挑む大激戦コンパクトSUV市場 ライバルはホンダ・ヴェゼルとトヨタ・カローラクロス 「本当に欲しいSUV」とは?

公開 : 2026.06.22 12:05

従来型よりモード燃費は11%、高速燃費は10%向上

さらにシステムの小型、軽量化や効率アップなどにより、従来型よりモード燃費は11%、高速燃費は10%向上。パワートレインの振動を減らし、キャビンへの遮音を高めたことで、発電時の騒音は4.5dB改善されて静粛性も向上した。

4WDモデルでは、電動駆動4輪制御技術『e-4ORCE』を採用。モーターのトルクはフロントで約10%以上、リアは約40%アップして、コーナリングのトレース性能を高めている。雪道や悪路での走破性だけではない、普段乗りでも気持ち良く走れる電動4WDの素晴らしさを、このe-4ORCEでは味わえるという。

パワートレインの振動を減らしキャビンへの遮音を高めたことで、静粛性も向上した。
パワートレインの振動を減らしキャビンへの遮音を高めたことで、静粛性も向上した。

では2WD(FF)では走りが物足りないかといえばそうではなく、100kg以上も車両重量が軽いから加速に優れ、軽快な走りを楽しめるそうだ。

新型は全長75mm、全幅40mmサイズアップ

従来型キックスでは『後席は大人には狭い』、『荷室が狭い』といった不満が上げられた。そこで新型は全長で75mm、全幅で40mmサイズアップしているが、そのほとんどは後席と荷室のスペース拡大に充てられた。

1800mmという全幅はコンパクトSUVとしてはギリギリなサイズと考え、ライバルとなるホンダヴェゼルトヨタカローラクロスの中間的なポピュラーなサイズとしてパッケージも決めていった。そのため、ヘッド&ニールームや後席室内幅は、クラストップレベルの広さとなった。

全長は75mm、全幅は40mmアップし、そのほとんどは後席と荷室のスペース拡大に充てられた。
全長は75mm、全幅は40mmアップし、そのほとんどは後席と荷室のスペース拡大に充てられた。    平井大介

ラゲッジルーム容量や開口部の数値は公表されていないが、従来型より拡大されてゴルフバッグは平置きできるようになった。GとX+にはパワーバックドアも標準装備され、Gには荷室に1500WのAC電源も備わるなど、アウトドアなどでの使い勝手も高めている。

300万円を切る戦略的な価格のグレードを設定

安全&快適装備においても、コクピットはクラス初のモノリスタイプ12.3インチメーターを採用し、GとX+では12.3インチのセンターディスプレイも備えた統合型インターフェースディスプレイとするなど、視認性や操作性を高めている。

全方位運転支援システムは360度セーフティアシストのもと、プロパイロットを全車標準装備。コストの問題もありプロパイロット2.0ではないが、カメラは2.0のものと同じ、画角は2倍、解像度は6倍以上となり、精度が向上している。

注目度を高めるため、300万円を切る戦略的な価格のグレードを設定した。
注目度を高めるため、300万円を切る戦略的な価格のグレードを設定した。    平井大介

そして今回、300万円を切る戦略的な価格のグレードを設定したのは、このところ現行型キックスの注目度が下がっていることから、ブランドを盛り上げるためにも、まずは販売店に来てもらうことを目指したからという。

なお、海外仕様の2Lエンジン車はe-POWER車に比べて性能的に劣るため、廉価モデルとしても日本仕様として導入することは現段階では考えられていないようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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