全スポーツカー好き必読! 新型『アルピーヌA110』が挑むEVスポーツカーの革新(前編) グッドウッドでプロトタイプが初走行

公開 : 2026.07.09 22:45

新開発されたAPP=アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム

まもなく誕生することになる新型A110は、エレクトリックパワートレーンを搭載したBEVとなる。

そのために新開発されたのが『APP』(アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム)と呼ばれる軽量なアルミニウム製の基本構造体だ。これは新型A110のほかに、ルノーが2027年に発売を予定する『5ターボ 3E』にも使用される計画となっている。

新型A110に採用される、『APP』(アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム)と呼ばれる軽量なアルミニウム製の基本構造体。
新型A110に採用される、『APP』(アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム)と呼ばれる軽量なアルミニウム製の基本構造体。    アルピーヌ

この事実からも分かるように、APPは高い拡張性を持つモジュラー型プラットフォームとして開発されており、アルピーヌではまずこれまでのA110と同様に2シーター車を開発。続いてそれをベースとするオープン仕様、さらにはホイールベースを延長した2+2ボディを持つモデルを、やはりクーペとオープンの両ボディで市場に導入する計画を持ち合わせる。

興味深いのは、2シーター用と2+2用ではバッテリーの搭載方法や前後アクスルの構造などが完全に差別化されていることだ。

世界初の試み、バッテリーパックを前後に分割搭載

2シーターモデルのバッテリーはAPPの前後に分割して搭載されて搭載され(実際には総エネルギーの25%を占めるフロントパックと、同じく75%を占めるリアパックに分割される)、両者はこちらも軽量なアルミニウム製のハーネスで直列に接続される。

ケーシングはダイカストアルミニウム製で、これはねじり剛性を高めるための、車両の構成部品としての機能も持ち合わせる。前後にバッテリーパックを分割して搭載するのは、アルピーヌによれば世界初の試みということだが、それによって前後重量配分の最適化(アルピーヌはそれを40:60とした)が実現されることなどを考えれば、その意義は非常に大きいといえそうだ。

前後にバッテリーパックを分割して搭載。前後重量配分の最適化を行い、40:60を実現した。
前後にバッテリーパックを分割して搭載。前後重量配分の最適化を行い、40:60を実現した。    アルピーヌ

参考までにバッテリーは円筒形セル(46115)と2フロアのセルトゥパックを備えたNCM化学組成を使用したもの。エネルギー密度は750wh/L、もしくは275wh/kgという魅力的な数字で、搭載量についての言及はなかったが、量産モデルの車重はおよそ1500kg程度になると見込まれている。エレクトリックアーキテクチャーは800V。10%から80%までの充電に必要な時間はわずかに15分であるから実用性も高い。

*新型『アルピーヌA110』が挑むEVスポーツカー革新(後編)に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

新型『アルピーヌA110』が挑むEVスポーツカーの革新の前後関係

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