故郷オーストラリアへ! 様変わりした自動車事情【クロプリー英国版編集長コラム/クルマ漬けの毎日から】

公開 : 2026.07.20 17:05

自動車工場閉鎖、現在は輸入のみ

里帰り4日目の朝、キッチンのテーブルで最新号の『Wheels』を夢中になって読んでいたところ、気がついたら30分経っていた。

『Wheels』はオーストラリアで最も有名な月刊自動車誌で、私は半世紀前にこの媒体でジャーナリストとして最初の経験を積んだ。その後、自動車ライターとしてやっていけるか挑戦してみようと考え、イギリスへ渡った。まだタイプライターで原稿を書いていた時代だった。

半世紀前、クロプリー編集長はオーストラリアの自動車誌『wheels』でキャリアをスタート。
半世紀前、クロプリー編集長はオーストラリアの自動車誌『wheels』でキャリアをスタート。

私がオーストラリアで仕事をしていた当時は、フォード・ファルコン(オーストラリアで長年生産されたフォードの大型乗用車)と、ホールデン・コモドア(GM傘下ホールデンの代表的な大型乗用車)が市場の2強で、両者ともオーストラリア国内で生産されていた。

だが、いまでは日本、中国、韓国のメーカーが主役となり、そのすべては輸入されている。このことが、オーストラリアの自動車市場の様相を一変させた。

かつてのような有力ブランドによる「戦争の時代」は終わり、友人のポールがいま行なっているように、クルマ選びは情熱よりも理性で決定されている。

だからこそ私は、ヨーロッパではまだそこまで感情的要素が失われていないことを嬉しく思う。また伝統あるブランドが、それぞれ独自の個性を維持しようと懸命に努力していることも、とても喜ばしいことだと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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