ポルシェGT部門責任者に聞く(後編) 26台のヒット作で最も完成させるのが難しかったモデルは? 気になる今後の展開
公開 : 2026.08.25 17:10
911はニュルブルクリンクの常連
ドッティンガー・ホーエのストレート沿いにあるカフェ「デビルズ・ダイナー」の外のパドックを少し歩き回るだけで、この驚くべき統計を実感できる。サーキット走行会が行われる日には、新旧を問わずポルシェのGTモデルが端から端までびっしりと並んでいるのだ。そしてGTモデルは性能や走りだけでなく、耐久性の高さでも愛されている。
「気温に関係なく、一日中走っても、安全に家まで帰ることができます。クルマに負担がかかったような感覚はありません。レーシングカーでさえ、同じ部品番号の同じエンジンを使用しています。違うのはシートとエグゾーストだけです」

筆者はこの話を聞いて、「安物買いの銭失い」という言葉を思い出した。プレウニンガー氏によると、これほど高い耐久性を実現することがチームにとって大きなモチベーションになっているという。筆者が知る991型GT3 RSのオーナーの1人は10万km近くを走行しており、そのうち約8万kmはニュルブルクリンクでの走行だ。その間に交換が必要になったのは、タイヤ、ブレーキパッド、ディスクだけだった。
他にも数多くのスーパーカーを所有しているこのオーナーは、プレウニンガー氏にこう語った。「他のクルマをしっかり走らせ続けるためにどれほど苦労しているか、想像もつかないでしょう……」
ポルシェのドライバーズカーは不滅
26台ものヒット作を生み出し、今もその数を増やし続けているプレウニンガー氏。筆者は、GTシリーズの過去のモデルの中でどれが一番完成させるのが難しかったかを尋ねてみた。
「現行のGT3です」と彼は言う。「(規制上の理由で)出力を上げられなかったため、前モデルよりも魅力的なクルマにするために別の方法を模索していました」

「S/Tのギア比をベースに、カントリーロードでの加速性能を少し高め、さらにヴァイザッハ・パッケージで軽量化を図りました」
「これまで、お客様に『新型をどうしても欲しい』と思っていただけるような理由を提供したいと考えてきましたし、今後もその考えは変わりません。マイナーチェンジは新プラットフォームの開発よりも常に難しいものですが、今回はかなりうまくいったと思います」
プレウニンガー氏は、自身の仕事がますます難しくなっていることを認めているが、いつか本物のドライバーズカーがラインナップから消え、過去の遺物になってしまうことはあるのだろうか?
「読者の皆さんは、今後数年間は安心していられるでしょう」と彼は言う。
「新型車に向けた素晴らしいアイデアがいくつかあり、誰もが気に入ってくれると100%確信しています。わたし達のクルマの特性が変わるのではないかと心配する必要はどこにもありません。わたし達は何をすべきかを明確かつ正確に把握しており、常に新しいアイデアを受け入れる姿勢を持っています」
そう聞いてホッとしたのは、筆者だけではないだろう。





























