フォード公式ライセンス取得 1970年代の名車『エスコートRS』復刻 仕様次第で895kgまで軽量化 約7650万円から【量産仕様公開】

公開 : 2026.08.24 07:25

レトロで魅力あるプロポーション

基本構造は、アラン・マン・レーシングが参戦していた当時のツーリングカーをベースとしている。ボアハムは現在、このマシンのオリジナル仕様も再現している。

この競技用車両は、フロントアクスルが市販車よりも30mm前方に設定されており、バージェス氏によれば、これによりプロポーションが改善されるという。

フォード・エスコートMk1 RS by ボアハム・モーターワークス
フォード・エスコートMk1 RS by ボアハム・モーターワークス

「まるでジャガーEタイプの話をしているように聞こえるかもしれませんが、このクルマにはそうした古典的な魅力が備わっているのです」とバージェス氏は語った。ホイールとボディの適切なバランスを実現することに「非常にこだわった」という。

15インチのアルミホイールはオリジナルの13インチより大きいものの、エスコート特有のルックスを保つために肉厚のタイヤが装着されている。ロスタイルやミニライトなど、当時のホイールへのオマージュとなる複数のデザインから選択可能だ。

実用性を重視したインテリアデザイン

インテリアでは、実用性を重視した調整がなされている。Bluetooth対応ステレオ、エアコン、バックライト付きインストゥルメントパネルが装備されるが、後部座席は取り外されている。

エスコートの特徴である6連のインストゥルメントパネルは、「ステアリングホイール越しには見づらい」ものの、シンボル的な要素として残す必要があった。「ステアリングコラムは修正しましたが、インストゥルメントパネルはそのままにしました」とバージェス氏は述べている。

フォード・エスコートMk1 RS by ボアハム・モーターワークス
フォード・エスコートMk1 RS by ボアハム・モーターワークス

同様に、ブライトリング製のラリータイマーや、5速ドッグレッグ式トランスミッションも搭載されている。シフトレバーもハイセットのラリー仕様で、モータースポーツ用トランスミッションのスペシャリストであるホリンジャー社がシフトフィールにこだわって特別に開発したものだ。

今回のコンティニュエーションモデルに追加された新要素の中で、バージェス氏はボンネットとトランクのヒンジを特に気に入っている点として挙げた。

「人生でヒンジを設計したことは一度もありませんよ」というバージェス氏は、若い頃に作っていたスピットファイアの模型飛行機からインスピレーションを得たそうだ。

「このクルマのデザイン要素、デザイン密度は、通常の量産車とは比べ物にならないほど高いです」

軽量化にこだわった構造設計

最高技術責任者のサイモン・グッドリフ氏は、ボアハムの目標は「伝統的なアプローチでありながら、非常に現代的な技術、素材、そしてメソッド」を駆使したクルマを作ることだと語った。

例えば、低速走行時の操縦を補助する電動パワーステアリングが搭載されているが、高速走行時にはこれが解除され、よりダイレクトな操作感が得られるようになっている。

フォード・エスコートMk1 RS by ボアハム・モーターワークス
フォード・エスコートMk1 RS by ボアハム・モーターワークス

全体の基本構成は初代エスコートを忠実に踏襲し、自然吸気4気筒エンジン、マニュアル・トランスミッション、そしてライブアクスルを継承している。

グッドリフ氏は、「ライブアクスルは採用したいと考えていました。リア独立懸架のエスコートは、わたし達の目指す方向ではありません」と語った。

しかし、これらの部品の強化と軽量化には多大な労力が費やされており、リアアクスルは完全新設計だ。クワイフ製のトルクバイアス式リミテッドスリップディファレンシャル用に薄肉ケーシングを採用し、ドライブシャフトにはガンドリル加工が施されている。このアクスルだけで40kgの軽量化を実現した。

最高出力330psを発生する「Ten-K」エンジンもわずか85kgと軽量だ。ドライサンプ方式を採用し、独立スロットルボディで吸気を行うほか、カーボンファイバー製エアボックスも開発中だ。

「電動エアコンとフルレザー内装を装備した状態で、総重量は1トン未満です」とグッドリフ氏は語った。「仕様次第では、895kgまで軽量化することも可能です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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