ポルシェ911 ターボS(2) T-ハイブリッドと四輪駆動が叶える格の違う速さ 長い歴史は揺るがず、確かな実力は一層の高みへ

公開 : 2026.09.03 18:10

電子制御オフで自在に誘えるオーバーステア

サーキットで電子アシストをオフにすれば、アクセルペダルの加減でオーバーステアも自在に誘える。トルクベクタリング機能付きの四輪駆動システムは、ドリフトアングルを巧妙に維持し、加速時のスタビリティも担保してくれる。

深いアングルでのスライドも可能だが、711psもの大パワーをお構いなしに展開すれば、ピレリPゼロ Rの賞味期限はあっという間だろう。特にリアは。

ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)
ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)

英国価格は20万5245ポンド(約4413万円)からで、アルトゥーラフェラーリ・アマルフィより高額。無数にあるオプションを選び始めると、さらに数万ポンド(数100万円)は増えるはず。リセールバリューが、相応に高いとしても。

畏敬の念を抱いてしまうほど高次元な完成度

911 GT3の見事な仕上がりによって、911 ターボの存在感は薄まったようにも思えるが、長い歴史は揺るがず、確かな実力は一層の高みに達した。出色の動的能力と日常との親和性を知るほど、その万能性へ言葉を失う。

日産GT-RアウディR8など、普段使いできる四輪駆動のスーパーカーキラーの多くは生産を終えた。しかし、その元祖として今なお力強く輝き続けている。

ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)
ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)

クルマとの一体感や意思疎通の濃さは、傑出した速さと引き換えに、多少犠牲になっているかもしれない。それでも、畏敬の念を抱いてしまうほど、完成度は高次元にある。

◯:バッテリーEVと比較しても驚異的な加速力 懐が深く落ち着いた操縦性 季節を問わない実用性
△:かなりの高額 歴代最高ではないサウンド 一体感や没入感ではGT3に届かない

ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)のスペック

英国価格:20万5245ポンド(約4413万円)
全長:4551mm
全幅:1900mm
全高:1305mm
最高速度:321km/h
0-100km/h加速:2.5秒
燃費:8.5-8.7km/L
CO2排出量:265g/km
車両重量:1725kg
パワートレイン:水平対向6気筒3591cc ツインターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:711ps/6500-7000rpm
最大トルク:81.4kg-m/2300-6000rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック/四輪駆動

ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)
ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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