スズキが新エンジン3基を公開! 電動と内燃機関の両輪でエネルギー極小化を追求 『10年先を見据えた技術戦略2026』発表

公開 : 2026.09.28 07:05

小型車用シリーズハイブリッド『Z12E型』

AセグメントからBセグメント(SUV含む)の小型車用に開発されているパワーユニットが、シリーズハイブリッドの『Z12E型』だ。

エンジン自体は、現行スイフトなどに搭載されている1.2L直列3気筒のZ12E型そのものだが、エンジンは発電のみに特化。発電用と駆動用のモーター2基を組み合わせ、モーターのみで駆動する。駆動用モーターに減速機が組み込まれ、変速機は存在しない。

小型車用シリーズハイブリッド『Z12E型』
小型車用シリーズハイブリッド『Z12E型』    平井大介

2基のモーターはeアクスルで一体化され、油冷システムにより高効率化。このeアクスルと電池の電力を統合制御するPCU(パワー・コントロール・ユニット)が、効率的な電動走行を支援する。

エンジンは最高出力60kW(約82ps)/最大トルク108Nmを発生。モーターの最高出力は、発電用が61kW、駆動用が65kW。駆動用バッテリー容量は0.6kWhだが、将来的には後述する1.2L直噴ターボエンジンと組み合わせたプラグインハイブリッドも検討されており、システム総合出力は130kW(約177ps)を目指している。

将来的にはスイフトやソリオなどの小型車に搭載される可能性が高そうだ。

新開発の直噴ターボエンジン

BセグメントからCセグメント以上のクルマ用には、直噴ターボエンジンを開発中だ。展示されていたのは1.2L直列3気筒だったが、1.5L直列4気筒も同時に開発されている。

このエンジンに電動アシストはないものの、1:高EGRとリーン燃焼による冷却損失、2:低粘度オイルやナノカーボン材料などによる機械損失、3:排熱回収、熱マネジメント、高圧縮比化、高速燃焼による排気損失、4:ミラーサイクルによるポンピング損失という、4つのエンジン損失を極限まで削る技術で熱効率50%を目指している。

新開発の直噴ターボエンジン
新開発の直噴ターボエンジン    平井大介

パワースペックは、1.2Lが最高出力93kW(約126ps)/最大トルク230Nm、1.5Lが118kW(約160ps)/280Nm。燃料はE100(バイオエタノール100%のアルコール燃料)をはじめ、CNG(圧縮天然ガス)やCBG(圧縮バイオメタンガス)にも対応。電源インフラが不十分な地域でもカーボンニュートラル燃料の使用で、エネルギー極小化を追求できる。

なお今回発表されたエンジンはいずれも横置きFWD用のもので、ジムニーや軽商用車など、縦置きRWD車のエンジンに関しては言及されていない。とはいえ、これらに対応する新たなパワートレインも開発されていることは間違いないだろうから、今後もスズキの新たな技術戦略に期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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