三菱アウトランダー PHEV(2) 英国復帰を牽引 強力モーターでEVのよう 丁寧に試乗すると見えるマイチェンの必要性

公開 : 2026.10.21 18:10

RAV4に届かない燃費とEVモード距離

運転支援システムは、車線維持支援の動作が控えめで好ましい。制限速度警告はアラームが鳴らず、煩わしくない。他方、ドライバー監視機能は反応が過剰。アダプティブ・クルーズコントロールは、勝手に動作が終了する場面が見られた。

牽引能力は、ブレーキ付きトレーラーで最大1600kgまで。トヨタRAV4 PHEVは、2000kgまで対応している。

三菱アウトランダー PHEV ダイヤモンド(英国仕様)
三菱アウトランダー PHEV ダイヤモンド(英国仕様)

充電ポートは、一般家庭用のAC電源のタイプ2と、50kWまで対応するチャデモ規格の2種類。前者は最大3.5kWと遅く、満充電までに6時間が必要となる。後者は、実際に試したところ40kWで充電できていた。欧州では、CCS規格の方が一般的だが。

今回の試乗で、電気だけで走れた距離は約77km。バッテリーが切れた状態での燃費は、郊外の一般道路で15.7km/Lを得たが、高速道路では10.2km/Lと低調だった。これらの数字は、RAV4へ届いてはいない。

競合へ完成度で勝らずとも印象は悪くない

英国復帰を牽引する、アウトランダー PHEV。実質的には5年前のモデルで、丁寧に試乗するとマイナーチェンジの必要な部分が見えてくる。特に、パワートレインの効率性は一層高めたいところ。ブレーキの性能も、改善する必要があるように思う。

全体的な印象は、決して悪くない。7シーターも指定できる車内空間は充分に広く、装備は充実。操縦性も好ましい。電力を優先して使用するハイブリッドの制御が、滑らかで余裕のある動力性能を叶えてもいる。

三菱アウトランダー PHEV ダイヤモンド(英国仕様)
三菱アウトランダー PHEV ダイヤモンド(英国仕様)

それでも、ライバルより完成度で勝るというわけではない。英国市場では、価格競争力に優れるともいいにくいだろう。

三菱アウトランダー PHEV ダイヤモンド(英国仕様)のスペック

英国価格:4万9995 ポンド(約1040万円)
全長:4710mm
全幅:1862mm
全高:1748mm
最高速度:170km/h
0-97km/h加速:7.1秒(実測)
燃費:15.7km/L(市街地)/10.2km/L(高速)
CO2排出量:60g/km
車両重量:2148kg
パワートレイン:直列4気筒2360cc 自然吸気+ツインモーター+ISG
駆動用バッテリー:22.7kWh
使用燃料:ガソリン
最高出力:299ps(システム総合)
最大トルク:45.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:e-CVT/1速リダクション(モーター)

三菱アウトランダー PHEV(英国仕様)
三菱アウトランダー PHEV(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

三菱アウトランダー PHEVの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法

人気記事