ただし価格は高い。オプションを搭載したテスト車の場合、最終的な価格は£107,203(1,755万円)まであがっていたのだ。

われわれなら、スポーツ・サスペンションとスポーツ・エグゾーストも追加するだろうから、さらに£558(9万円)と£1,773(29万円)を覚悟しなければならない。

■「買い」か?

“911は再びレベルアップしたが、今回は、すべてのカスタマーが歓迎するとは限らない” ― マット・ソーンダース (ロードテスト編集補佐)

Good：速さ、ユーザビリティ、ハンドリング、経済性
Bad：高回転域が退屈、音が退屈、わずかなターボ・ラグを否定できない

最後のまとめといこう。

911は以前のモデルよりもさらに日常使いしやすく、動的性能も(ほとんどにおいて)高まった。だが、ピュリストが喜ぶかどうかはわからない。

もし自然吸気の911を一度も味わったことがなく、ましてや991カレラ GTSの存在など知らなかった、というのであれば最新の911を最高だと思うだろう。

しかし、8000rpmまで回すのが好きで、さらに回転が増すごとに興奮も増すクルマでなければならないというのであれば、ちょっと困ったことになる。

そこで2つのことを書いておく。

1、ポルシェのエンジンが空冷から水冷になり、電動ステアリングになったときも、われわれは(最終的には)受け入れ、慣れ親しんできた。

2、911は最高のスポーツカーであることには変わりないし、そんな最高のスポーツカーに優れたエンジンが備わっているのは事実だ。

よって、スポーツカー・カテゴリーのランキング・トップはポルシェ911とする。心ではなく頭にアピールするクルマになっても、それは変わらない。

ただ、知ってほしいことがある。ジャガーF-タイプRクーペやBMW i8、ロータス・エヴォーラ400、メルセデス-AMG GTもすぐそこのところまできていることを。