ロードテスト(7) スズキ・スイフト ★★★★★★★☆☆☆ 

公開 : 2017.09.30 19:10  更新 : 2018.01.20 07:41

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★☆☆☆☆

この分野では、期待にいささか水を差されることとなった。量販コンパクトカーでありながら、先代は同価格帯のいかなるモデルよりも走り重視のドライバーに関心を寄せられてきた。それは運動性に優れ、円熟した力作だった。しかし新型には、先代にあった生まれついてのアスリートらしさや、たやすく得られる敏捷性、夢中になれるフィールがないのだ。

やや軽過ぎ、弾性のあるフィールのステアリングは、ドライビングがイマイチであることを示す最初の兆候だ。それに続くのが、先にも述べたもたつきのあるシフトチェンジ。興味を削がれるそのギアボックスは、先代スイフトよりもコンポーネンツの関連性が強いバレーノに近い。

市街地では、ステアリングの軽さが、駐車場やジャンクションでの操作性を高めるが、郊外路や高速道路でのペースになると、中立付近のフィールが不足し、比較的高い速度域でのスタビリティが損なわれる。レーンのポジションを常に意識していないと、やや車線を逸れがちになるのだ。

基本的なレベルでは、このスイフトは確かに飛ばせる。グリップレベルは非常に強力で、舵のレスポンスはスマート、ハンドリングのバランスは素晴らしく、ボディコントロールは適切だ。しかしそれら4つの点で、新型スイフトは先代よりも、標準的なコンパクトカーの水準に近い。時として、コーナリングのマナーは陳腐に感じられ、ドライビングを楽しむには外輪へ荷重がかかりすぎる。

一方、乗り心地は、熟成された欧州勢のライバルと比較して、より忙しなく、深みがなく、反響が残る。シャープな突起やバンプも扱いかねる。

もちろんその程度のことは、鋭く精確で一体感のある走りを味わえるなら妥協できるところ。しかし、その見返りがないとしたら、それは単に先代モデルほどの円熟味を得られていないということだ。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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