比較試乗 新型アストン マーティン・ヴァンテージ vs ポルシェ911カレラGTS vs マクラーレン540C

公開 : 2018.06.17 10:10  更新 : 2018.06.17 12:36


3車3様、個性派揃いのエンジン

ヴァンテージが搭載するAMG製のV8はトルクの塊で、フロントエンジンのスポーツGTに期待する豊かな味わいがあり、マクラーレンとは異なるサウンドと合わせて、ヴァンテージの特徴を表している要素だと思う。

一方で、マクラーレンが搭載するリカルド製のV8ターボエンジンのサウンドを初めて聞いてから5年ほどが経つが、いまだにそのサウンドの評価は難しい。最も近いと思うのが、巨大なスズメバチのような音という表現。誰も聞いたことがないと思うけれど。アストンのエンジンが持つような、唸りの奥行きというものが感じられず、どんなV8のサウンドとも異なる。

音質面での豊かさでは欠けていても、ボアの大きなシリンダーのお陰もあり、若干ピーキーな性格と、8000rpmまでドラマチックなパワーデリバリーを味わえる。ミドシップのスーパーカー、マクラーレンという名の期待通り。まったく別の性格を得ており、どちらのV8エンジンもクルマによくマッチしている。

一方で6気筒のポルシェはどうか。確かにマクラーレンの5000rpmを超えた辺りからの強烈なパワー感や、アストンのような中回転域での力強さもない。しかし、レスポンスとリニアなパワーデリバリーの面では、ふたつのV8よりも優れていると思う。心地よい活気に満ちていて、7000rpm以上まで吸い込まれるように回転数が上昇する。アストンのV8には真似ができない芸当だ。

そしてそのパワーは、素晴らしいマニュアル・トランスミッションに伝達される。剛性感がありスムーズ。仕事は増えるが、とても特別なコンビだといえる。

ハンドリングの面でも大きく異なる。何しろ、比較的コンパクトなリアエンジンのスポーツカーに対して、ミドシップのスーパーカーに、フロントエンジンのグランドツアーと、3車3様なのだ。

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