ロードテスト レクサスLS ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2018.07.29 10:10

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

どの仕様を選んでも、LSは重量級のクルマということになるだろう。それゆえ、レクサスが名声を保つために、LSはハンドリングにそのウェイトを感じさせず、先代までとは違って、このクラスにおけるより自然な敏捷性を備えたリムジンの一台であることが求められる。

公道におけるほどほど高い速度域なら、LSは速いコーナリングでも優れたフラットなボディコントロールを維持し、キレがありバラつきのないステアリングレスポンスを示す。グリップのバランスは、活発に走り、外輪側に荷重が偏り始めると低下する。それまでエアサスペンションが巧みにカバーしていた重量が、突如として露呈するのだ。そうであっても、電子制御のドライバーズエイドが、ハンドリングやスタビリティの限界を超えないよう実にうまく働いてくれるのだが。

乗り心地は対照的に、高級車に期待されるレベルを明確に超えるものではない。コンフォートモードを選べば、スムースな路面を低速で走っている限り、エアサスペンションのしなやかさやバンプの吸収は立派どころの騒ぎではない。より大きな入力もみごとに取り除いてくれる。ところが、幹線道路を走るようなスピードでより鋭い突起に遭遇すると、やや曖昧でそわついた動きをみせる。それは、サルーンではなく、大きなタイヤを履いたグランドツアラーに予想するようなものだ。

LSのセカンダリーライド、すなわちタイヤの接地面に起因する細かな動きのコントロールはぎこちなく、標準装着されるランフラットタイヤのサイドウォールの硬さを感じさせるものだ。このクルマの乗り心地は、単純に外的要因の遮断具合を評価するなら納得できるが、SクラスやA8と直接比較するなら満足いくとは言いがたい。

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