SLS AMGとライバルたち AMGはスーパーカーを作ったのか 回顧録

公開 : 2019.01.02 07:10

どこにいても注目を浴びる

そういう意味では、SLSはすでに成功を約束されていると言ってもいい。SL65だったら間違いなくほかのクルマたちに埋もれて無視されていただろうが、SLSは常にステージの真ん中に居続けた。

これは実に決定的な成功である。正直なところ、ほとんどの見物人の目からしても、V12ヴァンテージほど古典的な均整の取れたプロポーションを備えているわけでもエレガントでもないだろうが、それでも成功は成功である。

SLSの運転席ドアを上に向かって開き、シートに座ってみると、ドライビングポジションは申し分なく、キャビンの基本的なアーキテクチャも同様に素晴らしい出来なのにもかかわらず、どことなく目の前に漂っている拍子抜け感に気づくはずだ。

乗り込むときにドアの内張りに頭をぶつけて嫌悪感を抱いてでもいない限り、少なくとも2度目に乗り込むときには、ほとんど勝手知ったるお馴染み感覚で接することができるだろう。

このキャビンで唯一の現実的な問題は、たとえ今回の試乗車のようにたっぷりとオプション装備を盛り込んだ個体であっても、2430万円のクルマにしてはちょっと普通すぎる基本的なデザインだけだ。率直に言ってSLSの車内はほかの普通のメルセデスとあまり変わらず、ランボルギーニあたりから乗り換えるとあまりにも無味乾燥に感じられてしまう。

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