至高の直6 新旧対決 BMW M2コンペティション vs M3 CSL 前編

公開 : 2019.02.02 10:10

M4ゆずりの3.0ℓ直6を搭載

でももし、そんなBMW Mがかけた魔法をひとひねりして、さらに速く、毎日使える洗練性を加えて、そしてもっと面白くできるとしたらどうだろうか。いや、はっきりいうなら、かつてなく良くなったという新しいM2コンペティション(以下「コンペ」)というクルマはいかほどのものなのだろうか。

こと純粋さにかけては、ふつうのE46型M3では対抗馬として見あわない。ここは崇高なる軽量スペシャル版、M3 CSLにお出ましいただこう。対するM2コンペはいまや当たり前のデュアルクラッチ式ギアボックスではなく6速MTという、古式ゆかしいとも時代錯誤ともいえる仕様だ。

ご存じかもしれないが念のため解説すると、このM2コンペは2018年のAUTOCAR年間ドライバーズカー選手権で911 GT3 RSに惜しくも及ばなかったクルマだ。

最大のトピックは、わずかにデチューンされているとはいえM4の3.0ℓ直6ツインターボエンジンがこの小柄なボディに分けあたえられたことだ。いわば風呂桶に爆雷を投げこむようなものだ。

このエンジンが発生する410psというパワーは後車軸の電子制御LSDに導かれ、一部をレースカーさながらのボールジョイントに変更したサスペンションがしっかりと受けとめる。それらをもってしても、入れかわりに生産のおわった標準モデルのM2同様にときどき後輪が暴れがちになることはもう確認ずみだ。

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