ロードテスト フォード・フォーカス ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.03.02 11:50  更新 : 2019.03.12 14:36

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

内装 ★★★★★★★★☆☆

フォードC2プラットフォームは、運動性能の向上だけでなく、実用性の改善にも貢献する。ホイールベースは、先代より52mm長い2700mmで、後席のレッグルームは700mmに達する。これは先代の660mmはもちろん、先ごろ計測したスコダのクロスオーバーであるカロック・スカウトの680mmも上回る。

荷室の広さは、このクラスの水準に伍するものではあるが、トップレベルには至らない。通常、ラゲッジカバーの下には375ℓの容量を確保できるが、テスト車のようにアダプティブダンパー装着車は荷室フロアの段差が埋まってしまうため341ℓに減少する。ちなみに、このセグメントで荷室容量がフォーカスに近いのは、380ℓのフォルクスワーゲン・ゴルフセアトレオン。発表されたばかりの新型マツダ3(アクセラ)は、295ℓにすぎない。開口部は、もっとも狭い部分でも950mmの幅があり、アクセスしやすい。

ドライビングポジションやエルゴノミクスは、文句の付けどころがない。ステアリングコラムもシートも、調整幅は十分以上にあり、ステアリングホイールで位置決めをしてもペダルを踏みおろすような奇妙に高い着座位置を取らされることもない。そして、シフトレバーや空調の実体スイッチ、センターのインフォテイメントディスプレイには楽に手が届く。また、シートベースはヒップポイントが沈み込みすぎない設計で、わずかな悩みも残さないはずだ。

問題なのは、相変わらずのプレーンさと、質感に関する魅力の全体的な欠如である。フォードがSTラインXグレードの内装を多少はスペシャルに演出しようとした努力の跡は見えるが、それが成功しているとは言い難い。ベンチレーションやシートヒーターの操作系は実体スイッチで、タッチパネルに統合されたものより扱いやすいが、ちょっとばかり見た目が古臭い。カーボン風トリムは中途半端で、もしもフォードがこの主力モデルで、進歩を続けるライバルたちに張り合おうと目論んでいるなら、いわゆる感性品質が必要なレベルに達していない。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

フォード フォーカスの人気画像