試乗 アウディTT RS 手軽なスーパーカー性能 最後の5気筒 ちらつくRS3

公開 : 2019.06.05 10:10  更新 : 2019.06.05 10:54

路面状態を選ばない安定した俊足

そのほかTT RSのダイナミクス性能の性格には、大きな変化はないといえる。今回は高速道路も数時間走らせたが、路面状態やドライバーの好みやその日の天気によって、強い感銘を受けたり、少し期待に沿わなかったり、ということに変わりはないだろう。

特にスコットランドのワインディングでは珍しくない、部分的に濡れ、路面が波打ったような道であっても、安定した走りを提供してくれることは美点。テールスライドを引き出したり限界領域での懐の深さを味わう、というより、圧倒的なトラクションで路面を問わず背中を押し付けられるような加速を生み、路面を掴み続ける安定性に長けたクルマだ。

この特徴は、ポルシェ718ケイマンやアルピーヌA110のような、従来的なスポーツカーの楽しみ方を求めるドライバーにとっては、あまり歓迎できないことかもしれない。しかし一方で、英国や日本のように、四季や天候の変化が大きい環境においては、大きな魅力になってくることも事実。

メルセデス-AMG A45など、4WDのスーパーホットハッチへの対抗馬として考えると、別の走りの説得力が見えてくる。ボディ・スタイリングはコンパクトなクーペだが、実際に座ってドライブさせると、そんな実感が湧いてくる。

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