ロードテスト ランボルギーニ・ウルス ★★★★★★★★☆☆

2019.07.14

走り ★★★★★★★★★☆

ウルスをどのようなスタイルで走らせるかは、タンブーロと呼ばれるモードセレクターで決定できる。センターコンソールのデバイスに設置されたちょっとプラスティッキーなレバーで、ストラーダ/スポーツ/コルサ/サッビア(砂地)/テッラ(悪路)/ネーヴェ(雪道)をセレクトする。ただし、前後方向にひとつずつ動かさなければ選択できないのがじれったくはある。

ストラーダを選ぶと、650psのV8ツインターボは驚くほど静かなままで、ギアボックスのシフトダウンは1段ずつ下がる。全体的に快適かつ洗練された走りで、多くの高級SUVより印象的な部分はない。ウルスの運動性における重要な信条のひとつは、誰もが運転できるランボルギーニであることだろうが、その点で成功しているのは間違いない。

スポーツモードに入れると、操作系の手応えが増し、レスポンスやエンジンのサウンドも高まり、ギアボックスも機敏になる。ウルスは急に、ドライバーへ興奮状態となることを求める。エキゾーストはそれまでに倍する轟きを上げはじめるが、ドアスピーカーが発するデジタル化されたV8の叫びが相当入っていること、いうなれば、感覚が強引なやり方で刺激されていることはすぐわかる。さらに、V8過給ユニットは重量級SUVに適しているが、デジタル補正が入ろうと入るまいと、ランボルギーニにぴったりの強烈なカリスマ的威厳を文句なしに備えているとはいえない。

そうはいっても、ウルスの加速力は圧倒的だ。この背の高い2285kgのクルマが0-97km/hを3.3秒で駆け抜け、8秒以下で161km/h に達するのをはじめて目にしたなら、笑うべきか叫ぶべきかわからなくなるだろう。

敢えていうなら、全開時のスーパースポーツと呼ぶのがふさわしい部分をみれば、ウルスは実に恐るべきクルマだ。しかし、それほどの息を呑むようなパフォーマンスを秘めていながら、日常使いでは運転しやすく素直だということが、多くのユーザーに受け入れられる理由となるのではないだろうか。

テストコース

ウルスはサーキットで、実にすばらしいスピードとグリップ、そしてスタビリティを発揮する。正確には、それほど路面をガッチリ捉えているわけではないのだが、多くのアクティブシャシーシステムが機能して、ハンドリングのナチュラルさやグリップ限界付近での操縦性を失わせないのだ。

標準装備のカーボンセラミックブレーキは、食いつき良好で制動力も高く、サーキットでラップを重ねてもそれがひどく弱まる気配はなかった。グリップは均等に割り振られ、ターンインはすばらしくシャープで、かなりのハイペースでもスロットルをうまく調整すれば、アペックスを捉え損ねることはほとんどないだろう。ただし、コーナリングで早めにパワーオンすると、外へ流れる挙動をアジャストできる幅は大きくない。またグリップレベルの知覚は、前後ともややフィルターのかかったように曖昧なところがある。

ドライサーキット


ランボルギーニ・ウルス:1分10秒8

メルセデスAMG GT63 4ドア:1分11秒7

速いSUVだとはわかっていたが、より低く軽いAMG GTを凌ぐラップタイムをマークするというのはなかなかのものだ。このランボルギーニは高速コーナーでAMGと変わらず速いと感じられるうえに、ストレートでは上回るペースをみせるのだ。

強力なブレーキは、3速で曲がるようなコーナーでも自信を持ってアタックし、結果的にかなりの速度を乗せることができる。

ウェットサーキット


ランボルギーニ・ウルス:1分11秒9

メルセデスAMG GT63 4ドア:1分8秒3

重量と重心高のペナルティが、ウェットサーキットでAMGを上回れなかった理由だ。とはいえ、2.2トンのSUVとしては立派なラップタイムだといえる。

22インチのホイールとタイヤは、水たまりの処理も上々。滑りやすい路面であっても、パワーのオン/オフ問わず、ハンドリングのスタビリティは目覚しい。

発進加速


テストトラック条件:乾燥路面/気温13℃
0-402m発進加速:11.6秒(到達速度:194.4km/h)
0-1000m発進加速:21.2秒(到達速度:242.7km/h)


メルセデスAMG GT63 4ドア
テストトラック条件:乾燥路面/気温14℃
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:198.9km/h)
0-1000m発進加速:20.9秒(到達速度:252.5km/h)

制動距離


テスト条件:乾燥路面/気温13℃
97-0km/h制動時間:2.70秒


メルセデスAMG GT63 4ドア
テスト条件:乾燥路面/気温14℃

 
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