ロードテスト メルセデス・ベンツCLA ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2019.08.31 11:50

流麗な4ドアクーペのコンパクト版には、先代以上のハンドリングが期待されました。しかし、少なくとも英国向けのAMGライン仕様のそれは納得できるレベルになく、しかも快適性には看過できない難点があったのです。

はじめに

ここ20年ほどの間に、メルセデスにグローバルなセールスの拡大とユーザーの平均年齢引き下げをもたらしたコンパクトな新型車のなかで、もっとも斬新なモデルはどれか。そう問われて、真っ先に4ドアクーペのCLAを思い浮かべることはないだろう。

もっとも、舞台が北米なら、話は違ってきそうだ。先代モデル、すなわち初代CLAは、英国ではAクラスGLAほどの存在感を示せなかったのに対し、2013年に発売されたアメリカ市場においては、初導入された前輪駆動のメルセデスだったのだから。

北米では大ヒット作となった初代CLAだが、英国などではそれほどの人気を得られなかった。
北米では大ヒット作となった初代CLAだが、英国などではそれほどの人気を得られなかった。    Luc Lacey

さらには、上陸から間もなく、メルセデスの北米部門の首脳陣は、20年間にローンチした中で最大の成果を収めたモデルだと評している。実際、6年のモデルライフで、CLAは世界規模で75万台ほどを販売したヒット作となった。

となれば、2代目に同様の大成功をシュトゥットガルトの面々が期待しても無理はない。はたして、その成功がビッグなものになるかはまだ未知数だが、このクルマの場合、ほかの部分ではすでにビッグなのが目につく。ホイールベースが延びたことで、全長は格上のCクラス・セダンに肉薄。トランク容量については下克上を果たしている。

初代CLAがそうだったように、この2代目もはるかに格上のCLSのデザイン的な魅力を、手頃な価格帯で再現しようとしている。コンポーネンツ的には、メルセデスの最新プラットフォームであるMFA2をはじめ、エンジンやキャビンのパーツ類、サスペンションのハードウェアなど、数多くを現行のAクラスやBクラスと共用する。

先代と異なるのは、ハッチバックの兄弟車たちとはヴィジュアル面で共通項を持たず、より現行CLSに似せてデザインされていること。しかしわれわれが興味を持っているのは、走りの方もAクラスとは別格に仕上がっているのか、という点に尽きる。きっちりと中身を吟味していこうではないか。

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