新型ボルボS60 T6日本試乗 プラグイン・ハイブリッド・セダンの内装/走りの評価は?

公開 : 2019.12.02 21:25  更新 : 2021.10.11 09:12

インスクリプションの車内は?

フォーマルな場にも、そしてもちろんさまざまなライフスタイルの足として、美しさのみならずユーティリティの高さを外観から感じさせるデザインといえるだろう。

試乗車のインスクリプションは、T6シリーズの中では上級グレードに位置づけられるモデルだけあり、キャビンの上質感や装備内容には、物足りなさを感じることは一切ない。

ボルボS60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション
ボルボS60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション

フロントシートはサポート性に優れ、センターコンソール上にはこのグレードの専用装備となる、スウェーデンのオレフェス製クリスタル・シフトノブが、それが操作される瞬間を待っている。

センターコンソールには、ナビゲーションのほか、このクルマのさまざまな機能を管理する9インチ・サイズのタッチスクリーンがレイアウトされ、直感的な操作が可能だというのだが、短時間の試乗では昔ながらの物理スイッチの方が便利に思える。とはいえこれは時間が解決する問題なのだろう。

本来ならば可能なはずのスマートフォンとの統合も、今回はそれを行わないまま返却の時間を迎えてしまった。

プラグイン・ハイブリッド・システムには、エンジンやミッションのキャラクターを好みに応じて、EV走行を優先する「ピュア」、エンジンとエレクトリックモーターを効率的に使い分ける「ハイブリット」、そして両者のパフォーマンスをフルに使用する「パワー」、4輪に常時最適なトラクションを配分する「コンスタントAWD」という4つのドライブモードが搭載される。

コーナリングが得意

ドライブを始めてわずかな時間で先代モデルからの違いを感じたのは、シャシーの進化だった。

新型S60にはフロントにダブルウイッシュボーン、リアにインテグラルアクスルを使用したマルチリンク式サスペンションが採用されている。

ボルボS60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション
ボルボS60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション

驚かされるのは、そのサスペンション剛性の高さだ。

試乗車の走りには十分なしなやかさが感じられたし、コーナリングでは正確で確かな手応えを持つステアリングとの組み合わせ、そしてエステートよりさらに好印象を強めた剛性感とともに、スポーツカー並みのダイナミックな走りさえ楽しむことができるのだ。

ここで大きな特長としてクローズアップされてくるのが、最大トルクで24.5kg-mを0〜3000rpmまでフラットに発揮してくれる、リアのエレクトリックモーターの存在。このリアからのトラクションが、コーナーからの脱出時には実に効果的なのだ。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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