【勝利のカギはバランスにあり?】スーパーミニEV対決 プジョーe-208 vs ミニ・エレクトリック vs ルノー・ゾエ 前編

公開 : 2020.05.29 21:00

日本への導入も待ち遠しいミニ・エレクトリックとプジョーe-208に、ルノー・ゾエを加えた3台のスーパーミニEV対決です。航続可能距離や室内スペース、ドライビング性能など求めるものは違っても、重要なのはバランスのようです。

もくじ

今度は本気 もっとも期待の1台
品質と高級感で圧倒 スペースには不満
街中で扱いやすく 物足りない質感
乗り心地に大きな差 ノイズが気になる
回生ブレーキにも違い スピード感が麻痺
番外編1:3万ポンド(399万円)以下 英国版おススメ中古EV 3選

今度は本気 もっとも期待の1台

これまでEVは何度もエコなモデルとして注目を集めては、いつの間にか市場に埋没してしまうということを繰り返して来たが、どうやら今度ばかりは違うようだ。

もちろん、英国政府の2032年までに新たな内燃機関モデルの販売を禁止するという案が、EVの将来を確実にしたことは確かだが、次々と登場する魅力あふれるEVスーパーミニの存在も忘れるわけにはいかないだろう。

政府補助金を考慮した場合、それぞれのエントリーモデルの価格は、ゾエが2万6900ポンド(357万円)、e-208が2万5700ポンド(341万円)、そしてミニ・エレクトリックが2万4900ポンド(331万円)となる。
政府補助金を考慮した場合、それぞれのエントリーモデルの価格は、ゾエが2万6900ポンド(357万円)、e-208が2万5700ポンド(341万円)、そしてミニ・エレクトリックが2万4900ポンド(331万円)となる。

市場は大きくとも利益率は決して高くないというコンパクトカーの特徴を考えれば、多額のコストを掛けてまで高価な電動パワープラントをスーパーミニに与えるというのは、まさに自動車業界がEV化に向けて舵を切ったことの証明と言える。

ほぼすべてのメーカーがスーパーミニかシティカーのバッテリー式EV発売を計画しているが、すでに実際に購入することの出来るモデルも数多く登場しているのだ。

そして、そんななかでももっとも期待されていた1台が、10年前からミニEとしてフィールドテストを繰り返して来たミニ・エレクトリックだろう。

比較的穏やかなライバルたちに比べ、184pを発揮するモーター(BMW i3と同じだ)を積んで、クーパーSの名を与えられたこのミニは、環境性能を犠牲にすることのないホットハッチに仕上がっている。

品質と高級感で圧倒 スペースには不満

プジョーe-208は136psに留まるパワーでパフォーマンスではミニの後塵を拝するものの、その5ドアボディが持つ室内スペースや、349kmという航続可能距離は実用性の面でミニを上回って見せる。

なお、ミニの航続可能距離は232kmだとされているが、今回のテストでは3台すべてでそのWLTP値は割り引いて考える必要があることが明らかとなっている。

フロア下に搭載されたバッテリーによって、ゾエでは乗員を高く座らせる。
フロア下に搭載されたバッテリーによって、ゾエでは乗員を高く座らせる。

そして、この3台のなかで383kmという最長の航続可能距離を誇るのがルノー・ゾエだ。

フェイスリフトによってスタイリングがリフレッシュされるとともに、134psへとパワーアップした電気モーターを積んで、リアのトレッドもリチウムイオンバッテリーを搭載するため拡大されている。

スタイリングに関しては、すでにその基本的なボディシェイプは見慣れた存在であるはずのミニが、この3台のなかでもっともひとびとの注目を集める存在だった。

直方体を取り入れた独特なアルミホイールデザインや、レモンイエローのアクセントが道行くひとびとを振り返らせるだけでなく、ミニはそのキャビンの高い品質と高級感でもライバルたちを圧倒してみせる。

スタンダードなミニの完ぺきな仕上がりが、ドライバー正面にまるで「浮遊」するかのように設置されたメータークラスターによってさらに強調される一方、残念ながら室内スペースは十分とは言えない。

前席は十分快適なものの、バッテリーセルを収納するため座面が持ち上げられた後席はタイトな空間であり、後席へのアクセスルートとなるフロントシートとBピラーの間も狭い。

さらに、211Lというトランク容量に至っては、充電ケーブルを収納する必要があることを考えれば退化したとしか言いようがない。

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