【イタリアンな魅力に浸る】アルファ・ロメオ156 GTA 中古車の購入 故障/注意点は?

公開 : 2020.05.16 07:20  更新 : 2020.05.18 12:11

ミレニアム時代に登場したアルファ・ロメオGTAが、今なら入手しやすい状態だとする英国編集部。サルーンもスポーツワゴンも、台数は少なく価値が見直されつつあります。ただし濃いアルファを楽しむには、注意も不可欠です。

超がつくほどクイックなステアリング

text:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:James Mann (ジェームズ・マン)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
20世紀が終わる頃、4ドアサルーンはどのモデルも退屈なものになっていた。デザインは衝突安全性に焦点が向けられ、電子デバイスは姿勢の乱れだけでなく、運転する興奮も制限していた。

そこへ一石を投じたのが、アルファ・ロメオ156。シャープなシルエットは、リアのドアハンドルをピラーに仕込むことで強調。インテリアの雰囲気も、期待に応えてくれた。

アルファ・ロメオ156 GTA(2001年−2005年)
アルファ・ロメオ156 GTA(2001年−2005年)

その興奮は、世紀をまたぐと頂点へと到達。車高の低いサスペンションに、ブレンボ製のブレーキ、6速トランスミッションを備えた、253psを発揮する156 GTAが発売された。

クルマの発するサウンドは素晴らしく、ステアリングは超がつくほどクイック。続いて5ドアのスポーツワゴンも登場し、多くの人が納得できる実用性もカバーした。

確かに、スバルインプレッサWRX STiのようなラリーマシン級のパフォーマンスや、E46型のBMW 3シリーズ並みの耐久性は備えていない。しかし、明確な個性とスタイルを湛えている。

GTAが持つカリスマ性と希少価値で、中古車価格は上がる一方。専門ショップも、レストアやアップデートの手を惜しまない。

当時のAUTOCARでは、加速性能やブレーキ、見た目を高く評価。一方で硬すぎる乗り心地や小回りの利かなさ、燃費の悪さ、サーボの効きが強く、尖すぎるステアリングなどを指摘している。

錆びやすいアルファの伝統も受け継ぐ

レザー張りのインテリアに、シートヒーターやエアコン、クルーズコントロール、パワーウインドウにボーズ製ステレオなど、装備や豪華さにも不足はない。そのかわり維持管理が悪いと、対処のための費用もかさんでくる。

アップグレード・キットが、英国ではオートルッソなどの専門ショップから提供されている。3.8Lへ排気量アップされたエンジンに、高性能なサスペンションやブレーキ、クワイフ製のLSDなど。

アルファ・ロメオ156 GTA(2001年−2005年)
アルファ・ロメオ156 GTA(2001年−2005年)

LSDは、新車時にオプションでも設定できたが、熱心なドライバーなら選びたいところ。顕著なアンダーステアを抑えることができるし、純正のデフは不調をきたし、トランスミッションにダメージを与える可能性もある。

ちなみにクワイフ製のLSDは、英国なら1000ポンド(13万円)ほど。トランスミッションの交換よりは高くない。

21世紀のアルファ・ロメオとはいえ、錆びやすいという伝統も受け継いでいる。過度な進行はないようだが、フロントフェンダーやフロアは新しい部品が入手できないため、職人による修復が必要になる。

皮肉なことに、ホイールアーチ内側のライナーは、ボディを守ってくれない。ボディと擦れて塗装を剥がし、腐食を促してしまう。これを知っているオーナーは、ライナーをしっかり固定しているそうだ。

ボディの補修費用は安くはない。過去の履歴やサビの状態はしっかり確かめたい。

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