【スタイリングに心奪われる】フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク Rラインへ試乗

公開 : 2021.01.03 19:05

Eクラスより広い後席と実用的な荷室

浅めのバケットシートはサポート性が高く、ステアリングコラムの調整幅も大きい。ドライビングポジションは、BMW 3シリーズ・ツーリングと比較すると高め。

特にBMW 320iは同程度の馬力があり、サイズも近く、価格帯でも並ぶ。アルテオンの強力なライバルになるだろう。

フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク Rライン2.0 TSI DSG(英国仕様)
フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク Rライン2.0 TSI DSG(英国仕様)

アルテオン・シューティングブレーク最大の魅力は、車内空間の余裕。リアシート側の足元空間は、驚くほど広々している。メルセデス・ベンツEクラスより広いようにすら感じる。

荷室空間は、カタログ数字には惑わされない方が良いだろう。リアシートを起こした状態で565Lの容量があり、これは標準の4ドアハッチバックのアルテオンより2L大きいだけ。だが、サイドウインドウより上の空間が含まれていない。

天井付近まで空間を利用するなら、実用性重視のステーションワゴンに並ぶ実力がある。リアシート中央の長尺用アームレスト・スルー構造も有用。リアシートを折りたためば、ほぼフラットなフロアの巨大な荷室を作ることができる。

動的性能は、1617kgのボディに189psと32.5kg-mだから、必要十分。DSGの設定は燃費重視で、数字よりはやや鈍く感じられてしまう。

積極的に走らせようとすればクルマも応えてくれるものの、前輪駆動のライバルで比べるなら、マツダ6の方が走りの魅力度は高い。柔らかめのサスペンションに、薄味のステアリングの操舵感も相まって、高速道路を淡々と走るのには適している。

選びたくなる華やかなスタイリング

アダプティブダンパーとリミテッドスリップ・デフのXDSを選択すれば、少し走りを盛り上げることもできるだろう。だが、アンダーステア傾向にあるハンドリングが、変化するほどではない。

Rラインでは19インチのホイールを履き、乗り心地は低速域でやや乱れる。高速道路の速度域なら、路面との穏やかな調和が生まれる。

フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク Rライン2.0 TSI DSG(英国仕様)
フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク Rライン2.0 TSI DSG(英国仕様)

アルテオンでシューティングブレークを選ぶなら、2.0LディーゼルのTDIの方が相性は良いかもしれない。TSIのトルクを考えれば、安楽度さではディーゼルに軍配が上がるはず。

思わず目を奪われる存在感を放つ、アルテオン・シューティングブレーク。2.0TSIとドライバーへの訴求力で比べるのなら、BMW 320iスポーツの方が有力ではある。だが車内空間や華のある容姿でいえば、アルテオンの方が勝ると思う。

魅力的なスタイリングのプジョー508SWや、ハンドリングが光るマツダ6のステーションワゴンというライバルも手強い。英国価格は、フォルクスワーゲンの方が高い。

ドライビング体験が、強く印象に残ることはないかもしれない。しかし、アルテオン・シューティングブレークの華やかなスタイリングに、強く惹かれることは間違いない。選びたいと思わせるだけの力がある。

快適で実用性も高く、燃費と動的性能のバランスも良い。毎日のクルマとして、充分な魅力もちゃんと兼ね備えている。

フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク Rライン2.0 TSI DSG(英国仕様)のスペック

価格:3万8420ポンド(518万円)
全長:4866mm
全幅:1871mm
全高:1447mm
最高速度:223km/h
0-100km/h加速:7.8秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1617kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:189ps/4180-6000rpm
最大トルク:32.5kg-m/1500-4100rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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