【走行に違いは出るのか?】タイヤチェーン、金属or非金属 それぞれのメリット・デメリット

公開 : 2021.01.01 09:45  更新 : 2021.10.13 12:18

2020年12月の関越自動車道での立ち往生のニュースは記憶に新しいでしょう。「備えあれば患いなし」タイヤチェーンの金属・非金属のメリデメを取材しました。

車載しておきたいタイヤチェーン

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

2020年12月16日から18日にかけて、大雪によって関越自動車道で大規模な立ち往生が発生し、一時は上下線合わせて2000台以上が影響を受けた。

これは雪によってスタックした車両が複数台発生したことで、後続車両が動けなくなったのが直接の要因と言われている。

カーメイト・バイアスロン
カーメイト・バイアスロン    カーメイト

いくらスタッドレスタイヤを装着していたとしても、雪の質や路面の状況、そしてスタッドレスタイヤの状態によっては今回のようなスタックしてしまうことも少なくないため、保険の意味も込めてクルマにはタイヤチェーンを積んでおきたいと思った人も多いのではないだろうか。

しかし、一口にタイヤチェーンといっても昔ながらの金属製のものから、最近では主流となりつつある非金属製、そしてエマージェンシー用という側面が強いが布製のものも存在しており、どれをチョイスしたらいいのか悩ましいところ。

そこで今回、カー用品の大手メーカーであるカーメイトにそれぞれのタイヤチェーンのメリットデメリットを聞いてみることにした。

カーアクセサリーのイメージが強いカーメイトではあるが、実は今から35年前の1985年から非金属製タイヤチェーン「バイアスロン」を開発・販売しており、さまざまなタイヤチェーンついて造詣の深いメーカーでもある。

金属製と非金属製のメリデメ

古くから存在する金属製タイヤチェーンの最大のメリットは、その価格だろう。安いものでは数千円で購入することもでき、保険として買うのであれば金銭的な負担も小さくて済む。

また、装着していないときはコンパクトに収納できるものが多いため、トランクスペースがミニマムな車種であっても積載スペースを圧迫しない点はありがたいところだ。

カーメイト・バイアスロン
カーメイト・バイアスロン    カーメイト

走行面では大きな鎖を使用している金属製チェーンはグリップ力が高く、特にラダー型のタイプは発進時に力を発揮してくれる。

一方で、装着の煩わしさや乾燥路面での走行は不可という点や、使用後にメンテナンスを怠るとすぐにサビが発生してしまうなど、使い勝手の面ではやや劣るというのが金属製チェーンの特徴となる。

対する非金属チェーンは装着の容易性がメリットというのは多くの人が知るところだが、実は耐久性にも優れており、雪のない路面でも装着したまま走ることができる。

チェーン規制が行われることの多い関越自動車道だが、関越トンネル内は破損を防ぐためにチェーンを装着したまま走ることができない。しかし、一般財団法人日本自動車交通安全用品協会(JASAA)が認定する非金属チェーンであれば、装着したまま走行することができる。

またグリップの面でもタイヤの接地面全体を覆うように装着するため、さまざまな方向にグリップ力を発揮し、金属製チェーンに比べて圧倒的に乗り心地が良いこともメリットといえる。

ただし、非金属チェーンは形状がタイヤにフィットするように作られているため、装着していないときはかさばる点や金属製チェーンに比べて価格が高くなる点がデメリットということになる。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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