令和の“経済車”狙いならハマる 新型アルト、マイルドハイブリッド車を検証

公開 : 2021.12.28 05:45

新型スズキ・アルトの試乗レポートです。軽のベーシックカーとあって、気に入った点も、気になる点もある様子。詳しく見てみましょう。

どんなクルマ? パワートレインは?

軽乗用の基本型となる2BOX車。同カテゴリーは経済性が第1の訴求点であり、地域密着型の営業車両や個人のアシとしての用途に適している。

二輪車で言えばホンダのスーパーカブのようなポジション、スズキ車ならすでに廃版となったバーディに喩えるべき(?)が、軽乗用に於けるアルトの位置付けである。

新型アルトのマイルドハイブリッド車「ハイブリッドX」。外装色は、新色のソフトベージュメタリック+ホワイト2トーンルーフ。
新型アルトのマイルドハイブリッド車「ハイブリッドX」。外装色は、新色のソフトベージュメタリック+ホワイト2トーンルーフ。    前田惠介

初代以来、実用本位のコスパ型に変わりはないのだが、新型はちょっとカジュアルな印象が強くなっている。パーソナルユースにも簡素すぎず、ちょっとオシャレに見せる、そんな感じだ。

搭載エンジンはNA仕様のみの設定で2タイプ用意。

1つは「A」「L」に搭載される標準仕様。

もう1つは「ハイブリッドS」「ハイブリッドX」に搭載されるマイルドハイブリッド仕様。

標準仕様が採用するエネチャージが回生発電で得た電力を電装系に用いるのに対して、マイルドハイブリッドではISGを採用して回生発電量を増加すると共に加速時のパワーアシストにも用いている。

なお、ミッションは全車ともにCVTを採用。

安全装備もグレードアップしている。ACCやLKAは非採用だが、衝突軽減ブレーキの夜間歩行者対応やタウンユース向けの装備が中心になる。

全方位モニターのすれ違い支援表示やカラーHUDなど、運転支援装備も含めてタウンユースでの費用対効果を考慮した設定となっている。

市街地から高速道路まで検証

マイルドハイブリッドといってもISGの出力は1.9kW(2.6ps)で、ハイブリッド用リチウムイオン電池の容量は3Ah。ドライブフィールも電動感はあまりない。

アイドリングストップからの発進でもエンジン始動から一呼吸置いて動き出す。一般的なアイドリングストップ車とほぼ同じ所作だ。

新型アルト・ハイブリッドXの前席内装(生産調整の都合で、試乗車はオーディオレス仕様)。バックモニター用カメラを備えるディスプレイオーディオ装着車なら、時代に合わせた進化をインテリアからも一層感じ取れるだろう。前席のヘッドクリアランスは39mm拡大している。
新型アルト・ハイブリッドXの前席内装(生産調整の都合で、試乗車はオーディオレス仕様)。バックモニター用カメラを備えるディスプレイオーディオ装着車なら、時代に合わせた進化をインテリアからも一層感じ取れるだろう。前席のヘッドクリアランスは39mm拡大している。    前田惠介

低・中負荷域での緩加速でも電動アシストは控え目であり、電動アシストを積極的に活用して動力性能の向上を図る、あるいは積極的に余力感を演出しているわけでもない。

ドライバビリティよりも回生効率の向上による燃費向上を主としたシステム、と考えたほうがよさそうだ。

だからといってアルトの動力性能が劣るわけではない。

試乗した最上級グレードでもタコメーターが装着されていないのだが、エンジン音から推測するなら巡航時の回転数は2000rpm前後。

緩加速は500~1000rpm上昇のダウンシフトでこなし、60km/hくらいまでは急加速も効く。小気味よくも扱いやすい特性だ。

80km/hを超えるとペダルストロークに余裕があっても加速の上乗せは大幅に減る。

エンジントルクを使い切って、ダウンシフト分で加速を稼ぐ感じで、回し切ってもゆっくりの速度上昇。速度変化の大きな高速では流れに乗せるだけで目一杯。

良くも悪くもタウンユースのスペシャリストといった動力性能である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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