BMW i4 詳細データテスト 傑作EV 4シリーズ譲りのハンドリング おすすめは下位グレード

公開 : 2022.01.29 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

今のところ、i4にはふたつの仕様がある。今回テストするのは、よりパワフルな2モーターのM50だ。前後1基ずつの電気モーターは、合計544ps/81.0kg-mと、M3コンペティションすら凌ぐスペックを実現している。

もうひとつ、エントリーモデルのi4 eドライブ40は、340ps/43.8kg-mを発生するリアモーターのみを搭載。ただし、どちらも駆動用バッテリーは83.9kWhの内製品を採用。エネルギー密度は、i3に対して20%ほど高められた。

フロント周りに専用の補強が追加されるi4。M50には、さらにアルミのストラットタワーバーも装着されるが、それを視認するには黒いカバーを外さなくてはならない。
フロント周りに専用の補強が追加されるi4。M50には、さらにアルミのストラットタワーバーも装着されるが、それを視認するには黒いカバーを外さなくてはならない。    LUC LACEY

第5世代のeドライブテクノロジーは、BMW最速の205kW急速充電に対応するが、これは蓄電量が少ない場合のみ。容量が中間ほどに達すると、100kWほどでチャージすることになる。

プラットフォームは、3/4シリーズと同じCLARを使用。ボディサイズはそれらとほぼ同等だが、ホイールベースは5mm長く、トレッドはわずかに広い。そのルックスは、シルエットもプロポーションもおおむね4シリーズ・グランクーペに近い。

バッテリーパックは、22本のボルトでフロアパンに固定され、プラットフォームのねじり剛性向上に寄与しているが、550kgの重量増加も呼んでいる。これこそ、i4 M50の0−100km/h加速が、M3コンペティションに0.5秒ほど後れる理由だ。

どちらのi4も、フロントのストラット周辺の補強ブレースと、サブフレーム下のアルミシアーパネルを追加しているが、M50にはさらにストラットタワーバーが装着されている。ただし、F80型M3のようなカーボンの軽量品ではなく、シンプルなアルミシャフトで、普段は黒くおもしろみのないカバーに覆われていて見えない。

バッテリーパック以外に、i4が3シリーズと大きく異なるのは、リアにエアサスペンションを装備する点だ。また、トラクションコントロールシステムはモーター制御系に統合され、それゆえDSCのための長い信号経路が排除され、従来のICEモデルのレイアウトより最大10倍早く作動する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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