BMW i4 詳細データテスト 傑作EV 4シリーズ譲りのハンドリング おすすめは下位グレード

公開 : 2022.01.29 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

i4のインテリアは実質的に、4シリーズ・グランクーペの流用だ。EVならではの変更点は、トランスミッショントンネル上に追加されたスイッチ類くらい。もっとも、そのトンネル内にトランスミッションは収まっていないのだが。

インフォテインメントシステムは、最新のiDrive8で、デジタル画面のメーターパネルと連携する。光り輝くディスプレイに魅力を感じているなら、すばらしく見栄えがいいと感じるだろう。しかし、フローティングタイプのマウントにより、助手席からの視認性は下がり、画面を支えるあまりエレガントではない支柱が必要になってしまう。

床下のバッテリーにより、着座位置は3/4シリーズよりやや高くなっている。しかし、それより不満なのは、機能的に不要なセンタートンネルが、後席の足元スペースを圧迫している点だ。
床下のバッテリーにより、着座位置は3/4シリーズよりやや高くなっている。しかし、それより不満なのは、機能的に不要なセンタートンネルが、後席の足元スペースを圧迫している点だ。    LUC LACEY

それ以外は、概ねよくできている。質感はきわめて高く、運転関連のエルゴノミクスはクラス最高。ステアリングコラムとシートの調整幅は十分にある。乗り込んでみると気付くのは、3/4シリーズより座面がやや高いということ。これは、床下にバッテリーパックを配置したことによるものだ。

BMWが、ICEモデルの低いポジションを維持しなかったことに、そこまで文句はない。しかしながら、リアシート中央の盛り上がりをなくす方法は、どうにかして見つけられたはずだ。後席はヘッドルームが制限されているが、不要なプロペラシャフトのハウジングにより、さらにスペースはタイトになっている。

後席のスペースは、テスラモデル3にまったく敵わない。しかし、荷室容量はクラストップだ。後席使用時でも470Lというサイズは、モデル3はもちろん、タイカンや、フォードのSUVタイプであるマスタング・マッハEすら上回るのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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