内燃エンジン・ゼロへの第1歩 アルファ・ロメオ・トナーレ PHEV Q4へ試乗 高品質の内装は◎

公開 : 2022.12.11 08:25

ソリッド感があり高品質なインテリア

トナーレの車内空間は広々としており、ダッシュボードまわりなどの操作系は明快にレイアウトされ扱いやすい。タッチモニター付きのインフォテインメント・システムも、動作は良好。ドライビングポジションは快適で、運転席からの視界にも優れる。

インテリアの仕上げに、アルファ・ロメオは力を込めた。内装パネルにはソリッド感があり、組み立て品質も素晴らしい水準にある。以前から求められてきた部分ともいえる。

アルファ・ロメオ・トナーレ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・トナーレ(英国仕様)

一方でトナーレは、これまでのアルファ・ロメオらしさは薄い。コンパクトなクロスオーバーで、軽くないハイブリッド・システムを搭載している。

ライバルと比較すると、BMW X1 xドライブ25eはハイブリッドの仕上がりに優れ、動的能力でも一枚ウワテ。ボルボXC40 リチャージは、ゆったりと流すような上品な質感で勝っている。プレミアム・ブランドとして、どちらもかなりの強敵といえる。

変化の激しい新時代に向けて、アルファ・ロメオは冷静に市場を捉えたモデルを投入してきた。だが、ブランドを愛してきたドライバーの気持ちを、若干置き去りにしてきたようにも思える。

この2つが巧妙にバランスし、さらに仕上がりを磨くことができれば、本格的な市場争いに加わることも可能だろう。だが、現状のトナーレ・プラグイン・ハイブリッド Q4には、少し荷が重いかもしれない。

アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグイン・ハイブリッド Q4(英国仕様)のスペック

英国価格:5万ポンド(約830万円/予想)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:206km/h
0-100km/h加速:6.2秒
燃費:72.9-91.0km/L
CO2排出量:26-33g/km
車両重量:1835kg
パワートレイン:直列4気筒1332ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:15.5kWh
最高出力:280ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:6速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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