一般道でも最高のドライビング体験

マット・プライヤーは、「マクラーレンらしい特性が垣間見れます。クルマ任せにコーナーへ侵入すると、若干アンダーステア。コーナーの出口が近づいた頃に、オーバーステアに転じますね」。と印象をまとめる。

リチャード・レーンは気に入ったようだ。「フェラーリ296 GTBより、ドライバーに自信を抱かせてくれる感触があります。操縦系のチューニングが見事。前方視界は先代のマクラーレン同様に素晴らしい。サーキットでは輝きます」

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

「心から感動し、畏敬の念すら感じたモデルが2022年には2台ありました。その1台がアルトゥーラです」。と、マット・ソーンダースが同調する。

ちなみに、1位の採点した審査員の1人が筆者だった。サーキットだけでなく、公道でも最高のドライビング体験を味わわせてくれたからだ。少々生真面目すぎると評する人もいたが、筆者はそうは思わない。

他の高性能モデルとは異なり、アルトゥーラはドライバーの意思に従順なのだ。クルマが反抗的な態度を示すことはない。サーキットでは、滑らかなライン取りで最速に走ることも、タイヤスモークを巻き上げて悪ふざけすることも、受け入れてくれる。

しかし、惜しくもマクラーレン・アルトゥーラはトップ3には入れなかった。残ったノミネート車両は2台のポルシェと、1台のフェラーリだ。つまらない忖度は一切ない。この結果を、筆者は予想していなかった。

果たして、2022年の英国ベスト・ドライバーズカーにはどれが選ばれるのか。まとめは、マット・ソーンダースにお願いしよう。

この続きは(5)にて。

記事に関わった人々

  • アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • オルガン・コーダル

    Olgun Kordal

    英国編集部フォトグラファー
  • リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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