採石場ではスタック不可能? フォード・レンジャー・ラプター ジープ・ラングラー 直接比較 前編

公開 : 2023.04.15 09:45

0-100km/h加速を7.9秒でこなすトラック

先代のレンジャー・ラプターも、悪路性能は充分に高かった。しかし、英国で選択できるエンジンは、2.2Lの直列4気筒ターボディーゼルに限られた。トルクは太かったが、うさぎ小屋から納屋まで、少し多くの時間を要したことは間違いない。

新しい2代目が搭載するのは、3.0L V6ツインターボガソリン。オーストラリアでは405psの最高出力を発揮するが、グレートブリテン島では排気ガス規制に合わせて、292psへデチューンされている。それでも、充分にたくましい。

フォード・レンジャー・ラプター(英国仕様)
フォード・レンジャー・ラプター(英国仕様)

最大トルクは、2300rpmという低い回転域から49.9kg-mを生み出す。車重は2454kgもあるが、0-100km/h加速は7.9秒でこなせる。ウサギが小屋から逃げ出しても、すぐに追いつける瞬発力といえる。これ以上速い必要はないかもしれない。

有能なぶん、英国価格は5万8900ポンド(約948万円)とお安くない。直接的なライバルは数少ないが、オフローダーというカテゴリーならジープラングラーは外せない。英国価格も6万2280ポンド(約1002万円)と、比較的近い。

レンジャー・ラプターに並ぶ速さを砂漠で披露しないとしても、低速域での走破性で、ラングラーの右に出るモデルは殆どない。ジープは数10年にわたって、素晴らしい伝統を守り進化させてきた。スポーツカーで例に挙げるなら、ポルシェの911のように。

明確なコンセプトを掲げ、隅々まで設計が煮詰められている。このカテゴリーで確実な成功を収め、これまでに25万台以上が地球上を走り回ってきた。偉業といえるモデルに仕上がっている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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