物議を醸したクルマの最終評価 40選 後編 「名車」か「迷車」、結局どっち?

公開 : 2023.04.16 18:25

リライアント・ロビンやルノー・アヴァンタイムは、偉大な名車か、それとも単なる駄作か。意見が分かれるクルマをクローズアップし、できるだけ広く納得できるような評決をAUTOCAR英国編集部が下します。

ランドローバー

美点:初代ランドローバーは、1948年にローバーシリーズの単一モデルとして登場し、1990年にディフェンダーと改名され、2016年まで生産され続けた。荒れた地面では驚異的な性能を発揮し、その名は「ジープ」と同様にオフロード車の象徴となった。2019年に再登場した最新のディフェンダーは、好調な売れ行きを見せている。

難点:生産が終了するずっと前から何十年も時代遅れとなっており、第二次世界大戦直後に比べてもわずかに洗練された程度であった。そのオフロード性能に疑問の余地はなかったが、舗装路での運転は快適とは言えなかった。

ランドローバー
ランドローバー

最終評価:名車

MG MGA

美点:MGが戦後初めてまともな乗用車を発売したのは1955年のことで、10年間は旧来のデザインと設計に頼っていたが、愛好家には少しも印象に残らなかった。しかし、MGAが登場すると大反響を呼んだ。その評価は高く、10万台以上を販売し、それまでの記録を塗り替えた。

難点:1958年、MGはMGAの派生モデルとして、当時としては非常に高い圧縮比を持つBシリーズ・エンジンのツインカム版を搭載したパフォーマンスモデルを発表した。レースやラリーでは非常に優れた性能を発揮したが、日常的に使用される燃料では絶望的なほど信頼性が低かった。MGは1960年にこのエンジンに見切りをつけ、MGAの総生産台数の2%弱を占めるにとどまった。

MG MGA
MG MGA

最終評価:エンジン次第

MG MGC

美点:MGCはMGBの派生で、1962年から1980年まで長く生産されたロードスター(MGB GTと呼ばれる場合はクーペ)であった。MGで初めて50万台以上の販売を達成し、特に3.5LのMGB GT V8は、わずか2591台しか製造されなかったものの高く評価されている。

難点:GT V8は、初めての高性能モデルというわけではない。1967年、MGBに3.0L 6気筒エンジンを搭載してMGCと名付け、高みを目指した。このエンジンは重く、ハンドリングに問題があり、高回転域ではパワフルだが、低回転域では頼りない。しかし、当時のプリンス・オブ・ウェールズ(現キング・チャールズ3世)は、このモデルをたいそう気に入っていたという。

MG MGC
MG MGC

最終評価:迷車

モーリス・マリーナ

美点:今でこそマリーナを否定するのは簡単かもしれないが、当時は決して破滅的なものではなかった。世界中で100万台以上が販売され、1970年代前半から半ばにかけては英国で最も成功したクルマの1つであった。

難点:でも、おわかりの通り、良いクルマではなかった。大急ぎで設計され、すでに時代遅れとなっていた技術を使ったため、発売間しばらくすると好意的に語られることは減っていった。

モーリス・マリーナ
モーリス・マリーナ

最終評価:迷車

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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