アストン マーティン「普通のミドエンジン車は作らない」 高収益の限定モデルに注力

公開 : 2023.06.09 06:05  更新 : 2023.06.12 20:46

アストン マーティンは、2019年の「ヴァンキッシュ・ビジョン」で示されたようなエントリーモデルのミドエンジン車の開発を中止。今後はヴァルハラのような限定生産ハイパーカーに注力する意向を示しました。

ヴァンキッシュ・ビジョンの夢半ばに

アストン マーティンは、ミドエンジンスーパーカーの開発を中止し、代わりにヴァルキリーやヴァルハラといった限定生産ハイパーカーに注力することを明らかにした。

アストン マーティンは2019年、ヴァンキッシュ・ビジョン・コンセプトを公開し、フェラーリ296 GTBランボルギーニウラカンに相当する同社初のミドエンジン車の発売の意向を示した。

エントリーモデルとして期待されたミドエンジンのスーパーカーは開発中止となった。(画像は予想レンダリングCG)
エントリーモデルとして期待されたミドエンジンのスーパーカーは開発中止となった。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

しかし、同社のローレンス・ストロール会長はAUTOCARのインタビューで、「台数は重要ではない」とし、代わりに収益性と希少性に焦点を当て、「普通」のミドエンジン車を作ることはないだろうと述べている。

さらに、ヴァルハラの初期のクーペモデルは999台の限定生産になることも明らかにしている。このモデルは、F1チームの新工場に新設されたアストン マーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ部門が開発するカーボンファイバー製モノコックを採用する予定だ。

ヴァルハラは風洞施設を使って空力特性を最適化し、ヴァルキリーと同様に「印象的」なクルマになるとストロール氏は述べている。

また、アストン マーティンとして初めてハイブリッド・パワートレインを採用し、技術パートナーであるメルセデスAMGから4.0L V8のプラグインハイブリッドを移植する。

このパワーユニットは最高回転数7200rpmを誇り、まったく新しい8速DCTを介してリアアクスルを駆動する。各アクスルに1基ずつ搭載される計2基の電気モーターと組み合わせることで、1000ps以上の出力を発生。ニュルブルクリンクのラップタイム6分30秒を目標とする。

ヴァルハラの価格は60万ポンド(約1億円)から70万ポンド(約1億2000万円)になると予想されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事