新型プジョー408 ニッチが主流に躍り出る? 「解き放たれた新種」 ファストバック・クロスオーバーで登場

公開 : 2023.06.20 17:25  更新 : 2023.06.20 17:29

新型プジョー408が、ファストバック・クロスオーバーとして登場しました。ボディサイズや価格、アンバサダー森山未來さんのコメントをご紹介します。

ひと昔前のニッチ、これからの王道?

プジョーの新型車、プジョー408が6月20日、本邦デビューを果たした。

古くからのプジョーファンが408という車名を聞くと、滑らかなボディのミドルサイズセダンやクーペを想像するかもしれない。だが今回アンベールされた新型408の実車は、はっきりリフトアップされた車高と低めに抑えられたルーフラインがファストバックテールに向け収束していく特徴的なクロスオーバーモデルだった。

新型プジョー408
新型プジョー408

全長×全幅×全高=4700×1850×1500mm。ホイールベースは2790mm。新型プジョー408はDセグメントの入り口に位置するサイズ感。そのフロントマスクはプジョーのアイデンティティとしておなじみのライオンの牙を思わせるLEDデイタイムランニングライトとフレームレスグリルを核としている。

だがボディサイドはこれまでのどのプジョーよりも光を複雑に跳ね返す造形になっている。ウェッジがしっかりと立ちあがったアウトラインの中に、浅いプレスラインが走り立体感を演出している。ところがクルマ全体はプジョーらしく流麗なシルエットで纏められているのだ。

AUTOCARでは英国編集部が昨年10月、パリ・モーターショーで一般公開された新型プジョー408についてレポートしている。その際のタイトルには「ニッチを狙う斬新モデル~」とあったが、果たして本当にニッチだろうか?

自動車世界のトレンドは急速に変化しているし、ルノーアルカナや新型クラウンを目にする機会が増えた今のわれわれには、新型プジョー408のようなスタイリッシュに仕上げられたクロスオーバーこそこれからの王道という気配も強く感じられるのである。

66kmのEV走行可、主役はハイブリッド!

セダンとSUV、ステーションワゴンの長所を集めたようなスタイリングの新型プジョー408。

そのラインナップはガソリンの1.2L直列3気筒を搭載する408アリュールと408GT、そしてガソリンの1.6L直列4気筒とPHEVの408GTハイブリッドの3車種。

プジョーのラインナップはガソリンの1.2L直列3気筒を搭載する408アリュールと408GT、そしてガソリンの1.6L直列4気筒とPHEVの408GTハイブリッドの3車種。
プジョーのラインナップはガソリンの1.2L直列3気筒を搭載する408アリュールと408GT、そしてガソリンの1.6L直列4気筒とPHEVの408GTハイブリッドの3車種。

だがステランティス・ジャパンが販売のメインとして捉えているのは、電動化が進んでいるプジョー・ブランドだけにハイブリッドの方だという。1.2Lエンジンの最高出力は130ps。一方PHEVユニットは225psで、どちらも8速ATを介した前輪駆動となる。PHEVのEV走行レンジはWLTCモードで66km。リアラゲッジスペース下に組み込まれた12.4kWhのリチウムイオンバッテリーは6kWの充電器により約2時間半で満充電になる。

新型プジョー408のボディカラーは4種類。ブルー/ホワイト/レッドというフランス国旗の3色に加えブラックが選べる。インテリアはブラック基調となっており、操作系は小径のステアリングとその上から視認できるメーターナセル、ドライバーを囲むようなセンターコンソールを備えたプジョーiコックピットになっている。

室内はゆったりとしておりリアシートの足元も広め。大きなリアゲートを開けると現れるラゲッジスペースも見るからに広大だ。1.2Lガソリンモデルは536L、リアシートバックを倒した場合には1611Lという空間が現れる。PHEVモデルの場合は床下バッテリーの関係で約65L容量が少なくなるが、それでも使い勝手は良さそう。絶妙なフロア面の高さもクロスオーバーの利点と言えるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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