新型EVで一層の攻勢 ヒョンデ・コナ・エレクトリックへ試乗 48.4kWhで航続376km

公開 : 2023.08.09 08:25

電動小型クロスオーバー、コナが2代目へ刷新。電動パワートレインへ適した設計で魅力を増したと、英国編集部は評価します。

現在の欧州ではコナの40%がエレクトリック

初代ヒョンデ・コナ・エレクトリックは、戦略的に誕生したモデルとはいいにくかった。ベースとなるコナは、内燃エンジンで走るコンパクト・クロスオーバーとして設計され、状況の変化へ合わせるようにバッテリーEV仕様が追加されていた。

2018年には、それで大きな問題はなかった。2023年も、初代コナ・エレクトリックは堅調に売れている。しかし、バッテリーEVの進歩は目まぐるしい。2代目へモデルチェンジが必要だと判断されたようだ。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック・スタンダードレンジ(欧州仕様)
ヒョンデ・コナ・エレクトリック・スタンダードレンジ(欧州仕様)

近年の欧州市場では、コナの販売数の約40%をバッテリーEVのコナ・エレクトリックが占めるという。そこでヒョンデは、新型を電動パワートレイン主軸に開発。その後、ガソリンエンジン仕様とハイブリッド仕様へ派生させたという。

ヒョンデ・アイオニック5のように、バッテリーEV専用設計ではない。それでも、電動化へ重点が置かれたマルチパワートレイン・プラットフォームで、フラットなフロアを獲得。駆動用モーターやバッテリーとの相性は良くなった。

パワートレインの設定には、2段階ある。最高出力156psの駆動用モーターと、48.4kWhの駆動用バッテリーが組み合わされた、スタンダードレンジがエントリー仕様。その上に、217psと65.4kWhが組み合わされたロングレンジが用意される。

ベースグレードも充実装備 シャープな顔つき

今回の試乗車はスタンダードレンジで、航続距離は376km。英国価格は3万4995ポンド(約630万円)からとなる。

ロングレンジは3万8595ポンド(約694万円)から。航続距離は492kmがうたわれる。ちなみに、ライバルとなるプジョーe-2008の航続距離は402km。ボルボEX30のベーシックな仕様は、344kmとなっている。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック・スタンダードレンジ(欧州仕様)
ヒョンデ・コナ・エレクトリック・スタンダードレンジ(欧州仕様)

急速充電能力はDCで最大102.3kW。クラストップの速さではないものの、駆動用バッテリーの容量を考えれば不足はないだろう。エアコンはヒートポンプ式を採用し、真冬に暖を取っても航続距離は従来ほど影響を受けないはず。

スタンダードレンジの場合、英国で選べるトリムグレードはアドバンスのみ。17インチ・アルミホイールとデュアルゾーン・エアコン、自動防眩バックミラー、パーキングセンサーなど、望ましい装備が一式付いてくる。

ロングレンジでは、NラインとNライン Sという上級グレードも選択できる。専用ボディキットと19インチ・アルミホイールなどが与えられる予定で、こちらは2024年からオーダーが始まる。最上級のアルティメットも追って加わるという。

2代目となるコナ・エレクトリックは、見た目が大きく変わった。スリムなヘッドライトを獲得し、フロントマスクの印象はかなりシャープになっている。

ボディサイズも大きくなり、全長は初代から145mmも伸び、4355mmになっている。ハードウエアを共有する、ニロEVへ接近したといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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