テスラ・モデルS 詳細データテスト 市販車最高の加速 全体の洗練度は不足気味 右ハンドルがほしい

公開 : 2023.08.12 20:25

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

テスラはおそらく、大画面のタッチ式ディスプレイにさまざまな操作部を統合するトレンドの先鞭をつけた存在だ。それも、そこまで頭に来ないで操作できるだろうという程度で扱えるものとして。

それは、最新型でも言えることだ。超高解像度の17.0インチ画面は、即座に反応し、さまざまなアプリケーションを上下左右自在に動かせるのはじつん賢く直観的なやり方だ。Googleベースのナビも、うまく機能してくれる。

あらゆる操作をタッチ画面に統合するトレンドは、テスラが火をつけたもの。ムカつくほど使いにくいわけでははないのだが、よく使う機能は専用のスイッチがほしいという思いは拭えない。
あらゆる操作をタッチ画面に統合するトレンドは、テスラが火をつけたもの。ムカつくほど使いにくいわけでははないのだが、よく使う機能は専用のスイッチがほしいという思いは拭えない。    JOHN BRADSHAW

とはいうものの、少なくともいくつかはボタンを残したシステムなら、もっと集中力を削がれずに済む。シートのヒーターやベンチレーターのような機能を使うのに、タップすべき回数が多すぎるのも気に入らない。

テスラがApple CarPlayとAndroid Autoの導入を頑なに拒否し続けているのも、フラストレーションのもととなっている。システム内蔵のSpotifyアプリは、CarPlayの同種のものより出来がいいものの、Apple Musicアプリは使い物にならないほどバグが多い。さらには、WhatsAppやApple Podcastsもサポート対象になっていない。

オーディオは、960Wで22スピーカーのシステム。気の利いたネーミングはされていないが、これより音のいいものはそう多くはない。

燈火類

マトリックスLEDヘッドライトを装備しているが、アダプティブビームとして使うためのソフトがインストールされていないので、普通のLEDヘッドライトとしてしか使えなかった。パワーはそこそこだが、このセグメントにおいては物足りない。

ステアリングとペダル

左ハンドル仕様のみで、ペダルオフセットがあっても言い訳できないところだったが、ありがたいことに、とことん普通のレイアウトだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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