スバル・アウトバック 詳細データテスト クラス随一の走破性 装備やデザインは古め パワーがほしい

公開 : 2023.10.07 20:25  更新 : 2023.11.10 04:45

内装 ★★★★★★★☆☆☆

アウトバックに乗り込むと、2010年頃を思い出さずにはいられないだろう。大型の縦型ディスプレイを除けば、インテリアのレイアウトも、デザインやマテリアルのチョイスも、わざと流行から外したように思えてくる。

それも狙い通りなのかもしれない。カーゴパンツのように、トレンディであることより、快適で実用的であることがアウトバックの目指したものなのだろう。

目新しさはないが、快適で使いやすい室内。荷室も含め、広さはライバルを圧倒するほどではないが、実用性に問題はない。
目新しさはないが、快適で使いやすい室内。荷室も含め、広さはライバルを圧倒するほどではないが、実用性に問題はない。    JOHN BRADSHAW

快適さは間違いない。レザーシートは広くてソフトだし、手が触れる部分のほとんどは柔らかなレザー調素材で覆われている。とくに独自性があるわけでも、特別に実用的な収納で驚かされるわけでもないが、機能性に文句はないし、必要なものはすっかり揃っている。

アームレスト下の収納スペースはかなり深さがあり、ふたつのドリンクホルダーと、センタースタックで隠された、スマートフォンを置くのにちょうどいい、パッドが張られた収納スペースも用意されている

スバルがモダン化の罠にハマったのは、エアコンの操作系だ。温度調整用のボタンはあるが、シートヒーターを含むその他すべての操作部は、タッチディスプレイに統合された。少なくとも、空調パネルは常に表示されているが、インターフェースはよりレスポンスよく直感的にできたのではないだろうか。

エンジン縦置きレイアウトゆえに、スペース効率はエンジン横置きのライバルに劣る。後席レッグルームも、横置きFFベースの競合車には及ばない。それでも、身長180cmの乗員が快適に過ごせて、前屈みになれる余裕もある。

ヘッドルームも不足はない。ワゴンボディゆえ、広大なわけではないが。また、予想外のアイテムやギミックはない。USBポートと送風口はふたつずつで、あとはかなり快適なベンチシートがあるくらいだ。

荷室については、スコダ・シュパーブに100Lほど及ばない。四輪駆動システムが容量を食っていると思うだろうが、じつはフロア下がかさばる発泡素材で埋められているのも一因だ。

それでも、メインの積載スペースは十分に使いやすい。フロアと開口部の段差はなく、後席は荷室側のハンドルで倒してフラットにできる。フックや結節ポイントも多い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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