スバル・アウトバック 詳細データテスト クラス随一の走破性 装備やデザインは古め パワーがほしい

公開 : 2023.10.07 20:25

結論 ★★★★★★★☆☆☆

スバル・アウトバックは、2023年のワゴンマーケットにおいては変わり種の部類だ。ほかのクルマはスタイルや最新流行を追っていて、電動化や機能満載のマルチメディアの採用を競っているが、アウトバックは数十年にわたり同じところにこだわり続けている。本気の機能性と本格オフロード性能だ。そこに妥協はない。

一般的な大型ワゴンだと考えると、スコダ・シュパーブやシトロエンC5 Xのライバルとしてはかなり時代遅れだ。とくに速いわけでも、ハンドリングに秀でているわけでもないし、ひと目見たら忘れないようなルックスでもなく、インテリアの質感は冴えず、マルチメディアは基本レベルだ。オフロードで使うつもりがないなら、おすすめはできない。

結論:わずかなひとびとではあっても、まさしくこういうクルマを待っていた、というユーザーはきっといる。
結論:わずかなひとびとではあっても、まさしくこういうクルマを待っていた、というユーザーはきっといる。    JOHN BRADSHAW

しかしながら、少数派とはいえアウトバックのようなクルマが必要だというユーザーもたしかに存在する。そうであれば、これに代わるクルマはない。大きく実用的なボディに、本格オフロード性能を組み合わせたモデルは、この価格帯に限らず見つけにくいものだ。

期待を多少譲って、おおむね快適で、運転が直感的で、使い勝手に問題点がほぼないこのアウトバックを選んでみてはいかがだろうか。このクルマが目指す用途には、間違いなくフィットしている。その用途が、きわめてニッチなのではあるが。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラート

インフォテインメントシステムと、十分にバネの効いたコラムレバーにはなじみを覚えたが、その理由がはっきりするまで少し時間がかかった。そして、思い当たった理由はGR86だった。あのクルマは、思った以上にスバル的要素が強い。というわけで、GR86を買えなかったユーザーのために、ぜひBRZを英国で販売してもらいたい。

リチャード・レーン

オーナーズマニュアルは、まるまる1章をオフロードドライビングに費やしている。オーナー誰もがアウトバックを未舗装路に持ち込むかどうかは疑わしいところだが、ボディサイドに泥跳ねでも付いているほうが見栄えがいいのは事実だ。

オプション追加のアドバイス

パワートレインは1種類なので、選択は簡単だ。おすすめはリミテッド。驚くほど装備が充実している。もしくは、フル装備のツーリングだ。中間グレードのフィールドを避けたいのは、合成皮革シートが理由だ。

改善してほしいポイント

・ターボエンジンか、このクルマの目的に適うハイブリッドを追加してほしい。
・空調関連のパネルは、独立して設置してもらいたい。
・サスペンションのチューンを見直して、低速域の乗り心地改善を。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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