マセラティ・グレカーレ 詳細データテスト 運転を楽しめる駆動系 サスはソフトすぎる もう少し安く

公開 : 2023.10.28 20:25  更新 : 2023.11.10 06:01

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

グレカーレのプラットフォームは、ステルヴィオよりホイールベースが83mm延長され、全長は172mm長くなっている。ポルシェ・間感やBMW X3ジャガーFペイスといったライバルよりも大柄だ。

また、さまざまな電動化対応策も講じられている。4気筒仕様はマイルドタイプながらもハイブリッドで、荷室の床下にはバッテリーが設置できるようになった。近いうちに追加されるフォルゴーレは、イタリア語で雷を意味する名を持つEV仕様だ。キャビンの床下には150kWhのフラットなバッテリーを積むが、セルはT字型に配置され、ドライビングポジションの低さが維持される。

ネットゥーノと銘打ったトロフェオの3000ccV6ツインターボは、MC20用のデチューン版で、アルファのV6とも関連のあるユニット。かなり後ろ寄りに搭載されるが、エンジンルームの残りのスペースはターボやインタークーラー、パイピングで埋め尽くされている。
ネットゥーノと銘打ったトロフェオの3000ccV6ツインターボは、MC20用のデチューン版で、アルファのV6とも関連のあるユニット。かなり後ろ寄りに搭載されるが、エンジンルームの残りのスペースはターボやインタークーラー、パイピングで埋め尽くされている。    JACK HARRISON

トロフェオのV6ツインターボも、ステルヴィオとの大きな相違点だ。アルファの2.9Lユニットとは異なり、MC20で導入された3.0Lのネットゥーノユニットを積む。気筒休止機構も備えるグレカーレ用のそれは、ドライサンプのMC20用に対しウェットサンプに変更された。最高出力は630psから530psにデチューンされているが、それでも十分パワフルだ。発生回転数は、7500rpmから6500rpmに引き下げられている。

エンジン搭載車はすべて、おなじみのZF製8速ATを積み、後輪偏重の4WDとなっている。トロフェオ専用アイテムとして、リアには電子制御LSDを採用。4気筒仕様は、機械式LSDかオープンデフを使用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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