マセラティ・グレカーレ 詳細データテスト 運転を楽しめる駆動系 サスはソフトすぎる もう少し安く

公開 : 2023.10.28 20:25

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

独自のロゴやセッティングがいくつかあるのを除けば、マルチメディアシステムのUコネクトは、フィアットジープアルファ・ロメオと同じものだ。

ある意味、それはよくない話だ。というのも、BMWジャガーのシステムと異なり、ブランドアイデンティティが本当に反映されてはいない。フォントはまさにフィアットのそれだ。

UコネクトはAndroidベースのシステムだが、ナビはトムトムよりGoogleマップを使ったほうがよかった。スマートフォンのミラーリングはワイヤレスだ。
UコネクトはAndroidベースのシステムだが、ナビはトムトムよりGoogleマップを使ったほうがよかった。スマートフォンのミラーリングはワイヤレスだ。    JACK HARRISON

いっぽうで、これは完全に好ましいインターフェイスで、全体的にロジカル。作動はスムースだ。

ボルボルノーのシステム同様に、ベースとなっているのはAndroidオートモーティブだが、ルックスからそれとは悟らせない。スタンダードなナビゲーションシステムにGoogleマップを使わないUコネクトは、落ち度のあるシステムとなっている。代わりに使うトムトムのモジュールははるかに劣るものだ。

Apple CarPlayとAndroid Autoのワイヤレス接続は備わり、統合はかなりうまくいっている。

テスト車は2300ポンド(約42万円)のソナス・ファベール製21スピーカーHiFiシステムを搭載。調整はかなり効き、音もいいが、群を抜くほどではない。

燈火類

トロフェオにはマトリックスLEDヘッドライトが備わる。パワフルだが、アダプティブ機能が適切ではなく、ほかのクルマを眩惑させてしまいがちだった。

ステアリングとペダル

ステアリングコラムはオフセットしているが、気づかないほどわずかだ。ペダルはステルヴィオと同じく効果的なレイアウトで、間隔が十分に空いている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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