上級サルーンに「求めるほぼすべて」 メルセデス・ベンツEクラス E 220Dへ試乗 走りの充足度も◎

公開 : 2024.01.04 19:05

W214型の6代目へモデルチェンジしたEクラス 高級感に溢れるインテリア ドライビング体験の充足度は高い 英国編集部が一般道で評価

EクラスがW214型の6代目へモデルチェンジ

メルセデス・ベンツEクラスが、W214型の6代目へモデルチェンジした。英国へ導入されるサルーンには、エアサスペンションと後輪操舵システムが備わらないという。また高度な自律運転システムも、非合法ということで利用できない。

エアサスが備わらないとしても、乗り心地は決して悪くない。1985年にAUTOCARで試乗した、W124型メルセデス・ベンツ300 Eの頃から、一貫して快適といえた。それでも、コイルスプリングのそれが多少劣ることは間違いない。

メルセデス・ベンツ E 220D AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツ E 220D AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

同社は約40年の経験から、英国市場の顧客が望むものを理解し、導入する必要がないと判断したという。しかし、疑問は残る。

筆者は、オプションでエアサスを選べるようになれば、新しいEクラスの魅力は更に高まるだろうと考えている。プレミアムなメルセデス・ベンツには、他を凌駕する快適性を求める人も多いのではないだろうか。

Eクラスの英国価格は、エントリーグレードに当たるE 200 AMGラインで5万5290ポンド(約1023万円)から。今回試乗した、E 220d AMGライン・プレミアムプラスでは、6万8785ポンド(約1273万円)へ上昇する。

E 450d 4マティック・エクスクルーシブエディションでは、8万6325ポンド(約1597万円)。同クラスのジャガーXFの方が、1万5000ポンド(約278万円)以上は安い。

非常に印象的な仕上がり 高級感に溢れる内装

そんなお高めの価格へ納得させるように、新しいEクラスの仕上がりは非常に印象的。インテリアは高級感に溢れ、製造品質も高い。内装の素材も高水準で、シートの座り心地も素晴らしい。各所に収納スペースが用意され、実用性も忘れていない。

ダッシュボードにはトリムグレードによって、インフォテインメント用とメーターパネル用に独立した2面の大きなモニターか、スーパースクリーンと呼ばれる、ほぼ全面がモニターに見える3面構成が装備される。

メルセデス・ベンツ E 220D AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツ E 220D AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

ちなみに、スーパースクリーンが標準設定でも、希望すれば従来的な2面構成へ変更できるそうだ。

2面のモニターへ別れていても、一部のメルセデス・ベンツのように、ダッシュボードへiPadが固定されているようには感じられない。同社独自のMBUXシステム・ソフトウェアは高機能で、非常に扱いやすい。

ただし、エアコンの操作もタッチモニターを介することは、モニターの仕様に関わらず共通。車載機能の使いやすさという点では、改善の余地はあるだろう。

ダッシュボードには、ドライバーの顔を映すカメラが内蔵されている。現状では、WEB会議システムのズームを利用できるそうだが、今後対応サービスは増えるとのこと。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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