クルマ漬けの毎日から

2022.12.30

取材を通して見た「2022年」前編【クロプリー編集長コラム】

2月 モーガン・スーパー3

T33の対極にあるクルマは何だろうか? それはきっと、この新型モーガン・スーパー3にちがいない。

モーガン本社(イングランド西部のマルヴァーン・リンク)にあるビジターセンターは数年前に拡張されたが、ここを会場としてスーパー3は正式に発表され、報道関係者、ディーラー、先行購入者がこの会に出席した。

この3輪のコンセプトは「ささやかな楽しみ」であるにもかかわらず、モーガンにとっては実に本気のクルマなのだ。

スーパー3は、モーガンのなかでベストセラーになる有力候補。また113年の伝統を持つモーガンに、過去最高の世界的成功をもたらす1台になるにちがいない。

3月 マスタング・マッハE

フォードはマスタングのデビュー58周年を祝って、イベントを開催。

とりわけ「ポニーカー」と呼ばれる、手頃な価格で若者入門向けのスポーティなマスタングと、新型EVのマスタング・マッハEとを関連づけようと熱心に取り組んでいた。

フォードはマッハEの豪華な1台を私と妻に貸してくれたので、カフェイン&マシンという名のクルマ好きが集まるカフェ(イングランド中部のウォリックシャー)で開催されたマスタングのイベントに、このEVで出かけた。

マッハEは多くの点で優秀なクルマだが、乗り心地はいまひとつだった。

4月 最古のランドローバーと獰猛なメトロ6R4

春爛漫のある日、ブリテッシュ・モーター・ミュージアム(イングランド中部のゲイドン)へ向かった。

最近このミュージアムでは、ミュージアムのサポートを目的とする新たな会員制度がつくられ、この日はその会員向けにドライブ・デーが開催された。

後方に写っているランドローバーは、登録ナンバー「HUE166」にちなんでHuey(ヒューイ)と呼ばれている有名な1台で、ソリハル工場の生産第1号車。

だがこの日、最も印象に残ったクルマは、オリジナルのメトロ6R4だった。

ドライバーが本気で運転したので、助手席に乗っていた私は左右に振られて大変な状態に。このメトロは、騒音賞を受賞できるかもしれない。なんとも荒々しい試乗を体験した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。

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