ロードテスト ヒュンダイ・ネキソ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.08.10 11:50  更新 : 2021.03.05 21:37

この韓国製の中型SUVが車格に見合わぬ価格設定なのは、ひとえに燃料電池車だから。しかも、乗り味は極めて平凡でした。しかし、その平凡な走りが燃料電池を積むSUVで実現されたことは、現時点では特筆に値します。

はじめに

今や世界最大の電気自動車市場である中国が、水素燃料の供給インフラの劇的な整備を計画しているなか、ヒュンダイは初の燃料電池専用車をリリースした。この分野では、だいぶ先行している部類に入るだろう。

そう、専用設計としては初だが、燃料電池車についてはすでにix35フューエルセルで量産化を実現しており、英国を含む11か国でリースを実施した。これについては英国版編集部で、かつて長期テストも行なっている。

燃料電池スタックと163psの電気モーターはフロントに搭載され、前輪を駆動する。
燃料電池スタックと163psの電気モーターはフロントに搭載され、前輪を駆動する。    Luc Lacey

しかし、ネキソはそれと異なり、全面新設計の専用プラットフォームによって、アップデートされたゼロエミッションなパワートレインを用いたパッケージを改善している。エクステリアも専用デザインで訴求し、内装はこれまでのヒュンダイ車になかった洗練性を感じさせる。

さらに、新たなハイテクの見本として用意されたのは、革新的パワートレインだけではない。高速道路などシチュエーションが制限されるものの、完全自動運転が可能なレベル4に対応可能だ。ただし、現在の交通法規では公道上での使用が許可されていないため、テスト車にその機能は備わらない。加えて、水素燃料の供給施設がほとんどないことも大きな問題点だ。その整備は遅々として進んでいない。

そうした背景はあるものの、今回のテストでは走りの洗練性や使い勝手など、クルマそのものの出来を検証したい。はたしてこれは、尋常でない値付けを差し引いても手に入れたいと思えるものなのか。はたまた、同ジャンルのライバルたちを押し退けられる実力を備えているのだろうか。

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