BYDシール 詳細データテスト 低速の快適性は要改善 高速域の長距離移動は快適 ハンドリング良好

公開 : 2024.02.03 20:25  更新 : 2024.02.12 17:55

BYDのDセグメントセダンが、テスラ・モデル3を意識したものであることは明らかですが、後輪駆動版の乗り心地には改善の余地があり。しかし、ペースを上げると落ち着いて、長距離は快適。ワインディングの走りも軽快です。

はじめに

BYDの欧州における市場拡大は、全速力で進んでいる。新規参入や開拓は、まずは様子見からはじめがちだが、彼らはクロスオーバーのアット3を投入すると、1年以内に合計3台を発売した。その3番目に当たるのが、今回のシールだ。

BYDは単に欧州へ新型車を売り込んでいるだけではない。欧州での現地生産に向けた動きを、ハンガリーで行っている。中国のメーカーが欧州生産をすれば、今では閉鎖されたロングブリッジ工場を使っていたMG以来のこととなる。

テスト車:BYDシール・デザイン
テスト車:BYDシール・デザイン    JACK HARRISON

ハンガリー工場の完成は数年後の話だが、今回の主役は新型車のシールだ。アザラシとかアシカとか、誰もが愛らしいと思う海獣の名にごまかされることなかれ。これは本気も本気で造られたクルマだ。

アット3とドルフィンは、やや低価格帯を狙ったモデルで、前輪駆動だ。どちらも、このクラスを牽引してきたライバルたちを揺るがすまでではない。ただ、ドルフィンの価格設定は魅力的だ。

しかしシールは、後輪駆動の上位機種で、バッテリー容量は大きく、ハンサムな空力ボディと大きなパワーも備えている。パッと観ではテスラモデル3のライバルといった感じだが、走らせてもそうなのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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