快適な長距離クルーザー:ジープ・アベンジャー 成長過程の特有な個性:BYDドルフィン 魅力的な特徴は多いケド:ボルボEX30 お手頃EV 12台比較(2)

公開 : 2024.04.16 19:05

8位:ボルボEX30 期待へ応える特徴は多いが・・

ボルボ最小のバッテリーEV、EX30。ブランドの牽引役として、自ずと多くの期待と注目を集めた。3万ポンド(約567万円)台前半の価格に、充実した装備、特別感のあるデザインなどは、大きな魅力として機能している。

今回やってきたのは、英国価格3万8545ポンド(約729万円)で、シングルモーターのエクステンデッドレンジ。審査員6名からの関心は高かった。タッチモニターでしか操作できない、多くの車載機能の実際に好奇心を抱いた人も多かった。

左からスマート#1 プレミアムと、クプラ・ボーン 58kWh、ボルボEX30 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス、テスラ・モデル3 RWD
左からスマート#1 プレミアムと、クプラボーン 58kWh、ボルボEX30 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス、テスラモデル3 RWD

テスラも、同じようなインターフェイスを備える。しかしシステムは洗練され、メニューやグラフィックのデザインは理解しやすく、遥かに使いやすい。

EX30のタッチモニターも大きいが、ドアミラーの角度調整やグローブボックスの開閉、スピードメーターまで、その1面に集約されている。実際に運転すれば、好ましいデザインだといえないことが見えてくる。

スタイリングは魅力的。運転した印象も良い。車内は開放的で、ルノーメガーヌ E-テック・エレクトリックとは異なるテイストで、居心地が良い。全体的なパッケージングは素晴らしいだけに、とても惜しい。

リアシートは狭め。プラットフォームを共有する#1より明らかに。荷室容量も318Lと限定的だ。ドライバー監視機能は、交差点への侵入時に左右を確認しただけで、警告を鳴らす。乗り心地は、ブランドのイメージより硬めでもある。

確かに、EX30は期待へ応える特徴も多い。反面、評価の足を引っ張る部分も少なくなかった。それでも、選ばれし12台のノミネートで8位。悪いクルマではない。

ジープアベンジャーBYDドルフィン、ボルボEX30のスペック

ジープ・アベンジャー・サミット(英国仕様)

英国価格:3万8645ポンド(約730万円)
全長:4080mm
全幅:1780mm
全高:1530mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:9.0秒
電費:6.2km/kWh
航続距離:394km
CO2排出量:−
車両重量:1520kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:50.8kWh
急速充電能力:100kW
最高出力:156ps
最大トルク:26.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

BYDドルフィン・コンフォート(英国仕様)

英国価格:3万140ポンド(約570万円)
全長:4290mm
全幅:1770mm
全高:1570mm
最高速度:160km/h
0-100km/h加速:7.0秒
航続距離:426km
電費:7.0km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1658kg
パワートレイン:AC非同期モーター
駆動用バッテリー:60.4kWh(実容量)
急速充電能力:88kW
最高出力:203ps
最大トルク:29.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

ボルボEX30 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス(英国仕様)

英国価格:3万8545ポンド(約729万円)
全長:4233mm
全幅:1836mm
全高:1549mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:5.3秒
航続距離:476km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1885kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:64.0kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:271ps
最大トルク:34.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

この続きは、お手頃EV 12台比較(3)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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