モーガン・プラスシックス 詳細データテスト 操縦性はクラシックとモダンの中庸 侮りがたい動力性能

公開 : 2024.04.20 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

接着剤とリベット組み上げたアルミスペースフレームを、モーガンはCXプラットフォームと名付けた。CXとは、自社の110周年を、ローマ数字的に表記したものだ。ただし、アルミのボディパネルはアッシュウッドのフレームに取り付けられる。モーガン特有の曲線を生み出すには、木材がベストな素材だというのが理由だ。剛性は、すべてシャシーが担う。

パッと見、4気筒のプラスフォーも6気筒のプラスシックスも変わりないように映るかもしれないが、プラスシックスのほうがワイドだ。それも、単にトレッドを拡げただけではなく、キャビンの広さも増している。拡大されたホイールサイズも、プラスシックスの識別点だ。

クラシックなバタフライ式ボンネットを開けると、BMW製3.0L直6が見える。ブレーキブースターも備えるが、運転していてそれと気付かされることはない。
クラシックなバタフライ式ボンネットを開けると、BMW製3.0L直6が見える。ブレーキブースターも備えるが、運転していてそれと気付かされることはない。    JACK HARRISON

エンジンはBMW製で、プラスフォーが2.0LのB48、プラスシックスが3.0LのB58だ。B58は230iやM240iに搭載される直6ユニットだが、モーガン向けはややデチューンされている。

この数年で、大幅な改良は2度行われている。まずは2021年、フードを扱いやすく再設計し、オプションにコンフォートプラスシートやスポーツエキゾーストを追加。USBポートの増設も可能になった。次に2023年、インテリアの改修と、シャシーの大規模な改良を実施した。

サスペンションは以前と同じく前後ダブルウィッシュボーンだが、ダンパーとブッシュは変更され、よりしなやかに。フロントブレーキもアップグレードされてAPレーシング製を採用し、ディスク径は315mmから332mmに拡大した。

さらに、コンチネンタルと共同で、トラクション/スタビリティコントロールシステムを開発。ローンチ時から装備されていたABSに加えて装備された。しかも、ダッシュボードを手直しして左右エアバッグを搭載。現代のモーガンは、安全性も高まっている。

記事に関わった人々

  • 執筆 / アートワーク

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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