豪華で手頃なサイズが魅力 ジャガー Eペイス UK中古車ガイド オシはD180 見た目より広い車内

公開 : 2024.11.26 19:05

豪華で手頃なサイズのSUV、Eペイス ジャガーの多様化に貢献 オススメはディーゼルターボのD180 Fタイプへ影響を受けたスタイリング 見た目より広い車内 英国編集部が魅力を再確認

ブランドの多様化に貢献した小さなSUV

英国での販売は終了し、生産も間もなく終えるジャガー Eペイス。登場した7年前は、同社の変革を象徴するモデルといえた。若い層へアピールし、新たな顧客を獲得。ブランドの多様化に貢献した。

全長4395mmの扱いやすいサイズで、販売面でも牽引役になってきた。欧州全土で見れば、約10万台が売れている。

ジャガー Eペイス(2017〜2024年/英国仕様)
ジャガー Eペイス(2017〜2024年/英国仕様)

スタイリングは、スポーツカーFタイプへ影響を受けたもの。切れ長のヘッドライトと、高い位置で横に伸びたテールライト。抑揚のある面構成、ワイドなトレッドなど、今でもスタイリッシュに映ると思う。

他方で当初は、技術的に振るわなかった。基礎骨格は、フォード傘下時代のプラットフォーム。スチール製で車重は1768kgあり、ひと回り以上大きいFペイスに迫る重さだった。

その結果、走行時のマナーは、ジャガーへ期待される繊細さや落ち着きにやや欠けた。低速域での乗り心地はいまひとつで、快適性と操縦性のバランスに改善の余地があった。それでもステアリングの反応は正確で、颯爽と回頭し、運転は楽しめたが。

英国市場では、ガソリンターボとディーゼルターボ、復数のエンジンが用意された。駆動方式は、前輪駆動か四輪駆動を選択可能。フェイスリフト後には、マイルドとプラグインのハイブリッドも追加されている。

そのタイミングで、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツやレンジローバー・イヴォークなどと共通の、PTAプラットフォームへ変更。ZF社製の9速ATが、標準設定になっている。

オススメはD180 見た目より広い車内

中古車を選ぶなら、180psを発揮するディーゼルのD180をオススメしたい。1.5L 4気筒ガソリンや、それ以下の馬力のディーゼルは少し力不足。力強さと燃費の丁度良いバランスにある。

市街地が中心の利用なら、2.0L 4気筒ガソリンのP200やP250が良いだろう。それぞれ最高出力は、数字の通りだ。パワフルさを望むなら、P300というチョイスもある。

ジャガー Eペイス(2017〜2024年/英国仕様)
ジャガー Eペイス(2017〜2024年/英国仕様)

2019年には、300psを発揮するプラグイン・ハイブリッド、P300eが登場。電気だけで最長54km走れる、駆動用バッテリーを搭載する。ガソリンエンジンと電気モーターが協働し、非常にパワフルでもある。

ただし、中古車でも高価。こまめに充電しない限り、電動化の恩恵は受けにくい。

Eペイスの大きな強みといえるのが、Fペイスへ通じる豪華なインテリア。柔らかなレザーシートに、上品なクロームメッキ・トリム、スッキリとしたデザインのダッシュボードなど、ジャガーらしい空間を堪能できる。

一部のプラスティック製部品は、確かに少し雰囲気を濁している。品質でいえば、フォルクスワーゲンティグアン並みとはいえる。現代的なデジタル技術を欲するなら、フェイスリフト後がベターだ。

車内空間は、見た目より広い。背の高い大人でも、後席へ快適に座れるはず。

ジャガーはバッテリーEVブランドへ生まれ変わるが、価格帯はさらに上昇する見込み。その点、Eペイスの中古車は1万ポンド(約194万円)ほどで探せてしまう。通勤時間を上質に変えてくれるジャガーを、今こそ検討する価値はあるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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