【1980~90年代ロゴ再現に感涙】フィアット・ドブロはイタリア車乗り、今一番理想の足車!

公開 : 2025.01.20 17:05  更新 : 2025.01.20 20:45

フィアット・ドブロがマイナーチェンジを受けました。基本的な美点はそのままに、各部をブラッシュアップした印象です。かつてウーノ・ターボとバルケッタを所有していた元フィアット乗りの編集部ヒライがレポートします。

基本的な美点はそのままに各部をブラッシュアップ

フィアットドブロがマイナーチェンジを受け、12月5日に発売となった。ドブロは、シトロエンベルランゴプジョー・リフターなどときょうだい車となる、MPV(マルチ・パーパス・ビークル)。2列シート5人乗りの『ドブロ』と、3列シート7人乗りの『ドブロ・マキシ』がラインナップされている。

マイナーチェンジということで、基本的な美点はそのままに、各部をブラッシュアップしたという印象だ。かつてウーノ・ターボとバルケッタを所有していた元フィアット乗りの筆者的には、1980~1990年代に採用されていたフィアット・ロゴ、4本の斜め線をイメージしたデザインがフロントグリルに再現されていることが最大のニュースで、正直泣ける話である。

フィアット・ドブロがマイナーチェンジを受け、12月5日に発売となった。
フィアット・ドブロがマイナーチェンジを受け、12月5日に発売となった。    山本佳吾

変更された点を先に確認しておこう。外装ではLEDヘッドライト&フォグランプを採用し、フロントは4本線のデザインだけでなく、『FIAT』ロゴが大きくなっている。バンパー下にあるグレーのスキッドプレートも今回から追加された部分だ。

インテリアでは、新インフォテイメントシステムを搭載する10インチタッチスクリーン、同じく10インチのフルカラーTFTマルチファンクションディスプレイ(スピードメーターなどを表示)、ステアリングホイールヒーター、USBタイプCソケット2個をそれぞれ採用。

他ではアクティブクルーズコントロールが停止後3秒以内に再発進可能となり、レーンポジションアシストが追加され、クルーズコントロール&スピードリミッターのスイッチをステアリングコラムからステアリング上に移したのが新しい点となる。

そこはかとなく足まわりがフィアットだ!

今回は撮影をメインにしつつ、短時間ながら試乗することができた。

駐車場から出た瞬間に、これは好きな感じ、そこはかとなく足まわりがフィアットだ! と嬉しくなった。少し硬いけど、ちゃんとブッシュが仕事をしている感じ……と書くと伝わるだろうか。ちなみに最初にきょうだい車と書いたが、足まわりのセッティングはそれぞれ変えているそうで、各ブランド担当者の矜持を感じさせる部分だ。

乗ってすぐにこれはフィアットだ! と感じさせる乗り味。
乗ってすぐにこれはフィアットだ! と感じさせる乗り味。    山本佳吾

グラフィックがシンプルになったメーターまわりだが(以前はメーターナセルのある2連タイプの液晶だったが、今回から10インチ長方形のシンプルなTFT液晶に変更)、起動時のアニメーションがポップでイタリアらしさ全開。シートは新車だからか多少硬さがあるものの、サイズ、座らせ方などが好印象だ。

また、シートに入るブルーの縦ステッチが絶妙で、シルバーをシートとドアパネルに採用することで、実用車=ブラック一辺倒にならないあたりが、イタリアンデザインの面目躍如。ステアリングヒーターが追加されたのはありがたいが、惜しいことにシートヒーターは備わらない。先に結論を書くと、それ以外は完璧なのに! だ。

1.5リッター直4ディーゼルターボのエンジンは、130ps/300Nmというスペックだが、空荷の1名乗車ということもあり、走りは実に身軽だ。取材車のタイヤはグッドイヤー製の205/60R16となるが、アピアランスよりも実用性、乗り心地重視の16インチに抑えてあるのが良心的。走行距離845kmということで、アタリが出てくるともっとよくなりそうな予感もある。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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