ロデオの後継は英国で人気 いすゞD-マックス V-クロスへ試乗 ガサツでも頼もしい働き者

公開 : 2025.02.10 19:05

悪路の走破性は高い 頼もしい働き者

オフロードの走破性は高い。トラクション・コントロールとテレインレスポンスが相乗し、滑りやすそうな急斜面でもグングン登ってくれた。これでもう少しトルクがあれば、申し分ないだろう。渡河水深は、最大800mmへ対応する。

最小回転直径は12.5mで、サイズを考えると小回りは効く。快適性で勝るフォード・レンジャーは12.7mで、フォルクスワーゲン・アマロックは12.9mだ。

いすゞD-マックス V-クロス 4x4ダブルキャブ (英国仕様)
いすゞD-マックス V-クロス 4x4ダブルキャブ (英国仕様)

小改良を受けたD-マックス。スタイリングやインフォテインメント・システムなどはリフレッシュされたが、ラダーフレームやエンジンの印象まではアップデートされていない。だが、使える質実的なピックアップトラックであることも変わらない。

試乗したV-クロスはアウトドア・ライフスタイル志向で、ハイラックスやレンジャーなどを意識した仕様にある。だが洗練度や動力性能を比べると、有利な立場にあるとはいいにくい。

それでも、コストパフォーマンスが高いことは確か。オフロードでの走破性は同等に備わる。オンロードでの操縦性は2代目より明確に改善され、信頼性にも長けるはず。

運転しやすく堅牢で実用的という、ピックアップトラックへ求められる強みはしっかりカバーできている。頼もしい働き者として、小改良後も優れた定評は揺らがないだろう。

◯:たくましい見た目と同等に頼もしい走り 充実した車両補償 競合よりお手頃な英国価格
△:洗練性の低いディーゼルエンジン 細めのトルク 落ち着きの足りない乗り心地

いすゞD-マックス V-クロス 4x4ダブルキャブ (英国仕様)のスペック

英国価格:4万7916ポンド(約934万円)
全長:5265mm
全幅:1870mm
全高:1790mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:13.0秒
燃費:11.1km/L
CO2排出量:235g/km
車両重量:2015kg
パワートレイン:直列4気筒1898cc ターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:164ps/3600rpm
最大トルク:36.7kg-m/2000-2500rpm
ギアボックス:6速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    役職:ソーシャルメディア・エグゼクティブ
    AUTOCARのSNS担当として、X、YouTubeショート、インスタグラムなどの運営を任されている。以前は新聞紙や雑誌に寄稿し、クルマへの熱い思いを書き綴っていた。現在も新車レビューの執筆を行っている。得意分野はEVや中古車のほか、『E』で始まるBMWなど。これまで運転した中で最高のクルマは、フォルクスワーゲンUp! GTI。 『鼻ぺちゃ』で間抜けなクルマだったが、家族の愛犬もそうだった。愛さずにはいられないだろう。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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