名古屋の中心に貴重なクラシックカー&ラリーカーらが集結!昨日、今日、明日を俯瞰するアカデミックな催し【コッパ・チェントロ・ジャッポーネ】

公開 : 2025.11.22 12:05

愛知県名古屋市で、今年で第4回となった『コッパ・チェントロ・ジャッポーネ』が10月12~13日に開催されました。自動車の昨日、今日、明日を俯瞰するアカデミックな催しとなっています。高桑秀典のレポートです。

名古屋の久屋大通公園一帯が会場

ここ数年、カーマニアによるオフラインミーティング的なイベントが全国各地で頻繁に開催されている。

SNS上で繋がっている自動車趣味人の動向をチェックすると毎週末やっているような勢いだが、実際にそれに近い頻度、いやそれ以上のペースで何かしらのイベントが様ざまな場所で行われていると言える。

フェラーリ、ミズベヒロバ、中部電力ミライタワーのコラボがギャラリーを魅了。
フェラーリ、ミズベヒロバ、中部電力ミライタワーのコラボがギャラリーを魅了。    高桑秀典

その一方で、趣味性が強いクルマばかりを集め、一年に一度という長いスパンで開催される大規模イベントも盛況で、愛知県が後援している『コッパ・チェントロ・ジャッポーネ』(以下、CCJ)はその好例だ。

今年で第4回となった同イベントは、去る10月12~13日の2日間に開催され、自動車の昨日、今日、明日を俯瞰するアカデミックな催しとなっている。

会場は緑豊かな久屋大通公園の一帯で、名古屋市と姉妹都市提携を結んでいるイタリアのトリノで生まれた、あるいはデザインされたクルマを恒久的なテーマとしている。

ラグジュアリーさと充実した内容において日本屈指のイベントと言えるCCJは、久屋大通公園にあるミズベヒロバの水盤に美しいクルマを並べることで知られるが、今回はトリノを本拠地とするカロッツェリア、ピニンファリーナがデザインしたスペチアーレ・フェラーリたちが整然と展示された。

圧倒的な動力性能を誇る跳ね馬が静止している姿をじっくり鑑賞するのも一興で、数えきれないほどのギャラリーが連日カメラを構えていた。

名古屋とトリノが姉妹都市になって20周年

名古屋市は2005年にトリノと姉妹都市提携を結び、今年は20周年というアニバーサリーイヤーとなった。

華麗な自動車文化を発信しているCCJは、第1回からトリノ生まれ&トリノ・デザインのクルマに参集を呼びかけてきた。その成果が出て、今回は例年以上に展示内容が充実していたといえる。

ランボルギーニ・ミウラをはじめとするスーパーカーはテレビトーヒロバで展示。
ランボルギーニ・ミウラをはじめとするスーパーカーはテレビトーヒロバで展示。    高桑秀典

イタリアにはクルマのボディをデザインし、製作まで担当するカロッツェリアがたくさん存在しており、その多くがトリノにあった。

日本の自動車メーカーも1960年代に急速に成長する中でトリノのカロッツェリアにデザインを委ねることになり、今回、『トリノ生まれのクルマたち』、『トリノ・デザインのクルマたち』という2クラスに加え、『トリノ・デザインの日本のクルマ』、というクラスも用意。往時の代表的なモデルが展示された。

特にベルトーネに在籍していた若き日のジウジアーロがデザインした『マツダS8P』や、1979年3月のジュネーブ・ショーでコンセプトカーとして披露された『アッソ・ディ・フィオーリ』(いすゞピアッツァの原型となるモデルで、こちらもジウジアーロがデザイン)まで並べられたことは、CCJの深遠さが窺い知れる部分だ。

また、懐かしい日本車やイタリア車のみならず、スーパーカーブーム全盛時に子どもたちを魅了した、ランボルギーニ、フェラーリ、マセラティデ・トマソなども展示されたので、幅広い世代が楽しむことができた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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