レス・イズ・モアは電動にも ポルシェ・マカン 4Sエレクトリックへ試乗 期待通りに優秀

公開 : 2025.03.20 19:05

カイエンへ通じる車内のデザイン 後席側にゆとり

インテリアは、最近アップデートを受けたカイエンへ通じるデザインで美しい。ドライバーの正面には、12.6インチのメーター用モニターが据えられ、中央側には10.9インチのタッチモニターが収まる。助手席側にも、オプションでもう1面を追加可能だ。

運転姿勢の調整域は広く、意外なほど低くも設定できる。オプションの18ウェイ・スポーツシート・プラスは、911 GT3のアイテムへ似たデザインで、座り心地とサポート性が素晴らしい。

ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)
ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)

センターコンソールには、実際に押せるハードスイッチが若干残る。グロスブラックのプラスティック製パネルは、高級感に欠けるかもしれない。

ホイールベースはエンジン版より96mm伸ばされ、ライバル以上になってはいないが、後席側の空間は広がった。対して、荷室の余裕はクラス上位といえる。

インフォテインメント・システムは、グーグル・アンドロイドを用いたポルシェ・コミュニケーション・マネージメント(PCM)を実装。アップル・カープレイにも対応し、音声アシスタントも利用できる。

ヘッドアップ・ディスプレイも、ご希望なら搭載可能。ドライバーの10m前方へ投影されているように、ナビのガイドなどが映される。投影面積は87インチ相当と大きく、グラフィックが目障りに感じる可能性はあるだろう。

普段使いの印象は第一級 まとまりの強い走り

果たして、普段使いでの印象は第一級。ステアリングの正確さや重み付けに加えて、アクセルペダルの自然な踏みごたえ、節度ある姿勢制御などが相乗し、ポルシェらしいまとまりを実感できる。

電動パワートレインは、想像通り淡白。517psのマカン 4Sは、間違いなく4以上に速いものの、V6エンジンを懐かしむ人は少なくなさそうだ。とはいえ、一貫性の高く洗練された操縦性が穴埋めするが。

ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)
ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)

殆どのドライバーは、回生ブレーキの強さを頻繁には変えないと判断され、その効きはタッチモニター内で調整する。ステアリングホイール上のボタンへ、変更する機能を登録できるが、パドルで切り替えられた方が望ましいと感じるのは筆者だけだろうか。

回生ブレーキは、1番強力にしても減速感はマイルド。ワンペダル・ドライブには対応していない。

乗り心地は、グレートブリテン島の一般道でも良好。アダプティブダンパーにスチールコイルの組み合わせでも、しなやかに入力は処理される。多少の揺れは残るとしても。

多くのライバルより手応えが重めのステアリングは、正確性が極めて高い。やや神経質な場面もある後輪操舵システムを付けなければ、僅かなフィードバックが伝わる、自然な反応が心地良い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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